アクセスカウンタ

zoom RSS テーマ「Best」のブログ記事

みんなの「Best」ブログ


Best Albums Of 2009 - IV

2010/03/31 23:20
2009年のベスト、続きです。

01. Chris Laterzo And Buffalo Robe / Juniper And Piñon
4作目。
今回はバンド名義となっているけど、基本的には特に変わらず。
女性ヴォーカルがバックに入る辺りが、最も大きな変化でしょうか。
1997年作のデビュー盤"American River"では、Neil Youngからの影響を濃厚に感じさせましたが、その後、もう少しオープンな雰囲気のロック寄りにシフト。
まあ、その辺の細かい事はどうでも良くて。
この新作も含めて、デビュー盤のジャケットの雰囲気をそのまま音にしたようなとこがあり、時代の流れとは別次元で奏でられている音と言えるかも。
でも、時代と密接な位置にある音なんて、私には寒々しく感じられるものが多くて、敬遠しがち。
同じように感じている人は少なくないはず。
このアルバムがその答えとは限らないだろうけど、向き合ってみて欲しいと心から思う作品。
できれば、デビュー盤から順に。
陳腐な表現になるけど、現代屈指のシンガー・ソングライターの1人ですよ。

02. Jason Falkner / All Quiet On The Noise Floor
大阪でのライヴの状況を予見したようなタイトルに思わず涙なのですが、まあ、それはそれ(ライヴ自体は最高に楽しませてもらいましたよ)。
久々だった前作後の来日を経て、アップな状態にあるのが手に取るように伝わってくる作品。
ライヴ映えするとの予想通りに、生でも素晴らしかった。
要所で配されたスロウな曲の威力は絶大で、特に"The Lie In Me"は彼らしさに溢れた名曲。
ライヴでも思わず目頭が熱くなってしまったのでした・・・
とにかく、これだけ短い間隔でリリースされたのは嬉しい誤算で、内容の方も彼らしさが発揮されていて、ファンとしては十分に満足の内容。

03. Peter Holsapple & Chris Stamey / Here And Now
ex-The dB'sの2人による久々の共演盤。
91年以来だから、18年ぶりの2作目。
その間には、ソロ作品、バンドでの作品、プロデュース業などがありましたが、再び集って仕上がった作品は時の流れをあまり感じさせないような質感でした。
The dB'sと言えば、R.E.M.、The Feelies、10,000 Maniacsなど(他にも色々とあるけど、それを書くべき人は私などではなく・・・)と共に80年代前半のカレッジ・シーンと言われたムーヴメントの中心にいたバンド。
そういった点(つまり、時は流れた・・・という事です)を考えると、もっと枯れた音を発していても良さそうなのに、そんな事は全くと言って良いほどなくて、これまでの延長線上で落ち着いた佇まいで奏でられる曲には何とも言えない安らぎを感じてしまう。
音楽のあるべき理想の一片を見たような気がするのです。

04. The Minus 5 / Killingsworth
Scott McCaugheyによるバンド、あるいは、プロジェクト。
初期のアルバムを持ってはいるのだけど、そんなに聴いていなかったし、しっかりと聴くのは初めてに近い状況。
Scott McCaugheyによる別動隊のYoung Fresh Fellowsも似たような接し方だったんだけど、そちらは数年前から気になっていて、アルバムを集め始めていたのです。
で、その両者の作品が同時期にリリースされ、初めてじっくりと聴いてみたのです。
音の方はほぼ予想していた感じで、ラフなパワー・ポップという感じのあちらに対して、こちらはルーツ風味が適度に効いていて、緩い音作りの中に溢れる歌心が何とも心地良い。
3曲目とか、骨抜きですよ(タイトルからすると、別の物を抜いていそうではあるけども?)。
ツボを突かれた1枚。
過去の作品も聴いてみます。

05. Ben Kweller / Changing Horses
4作目。
カントリー・ミュージック寄りへ大きくシフトしており、これまでとは一味違う作品と言えそうなんですが、何度となく聴いているうちに、そういう感覚は薄れてきて、彼らしさが存分に発揮された作品だと感じられるようになりました。
2009年には、来日も実現しましたが、そのライヴにおいても、本作からの曲は過去の作品と違和感なく溶け込んでいましたしね。
傑作だったデビュー作に次ぐ出来だと個人的には思う。
あの頃に抱いていた期待感についに応えてくれたという感じです。
思わず何度となく繰り返し聴いてしまうような、そんな魅力を持った作品。

2009年を振り返ってみると、時間の使い方に変化が生じ、音楽を聴く時間、特にこのblog的には、ポップ・ミュージックを聴く時間は減ってしまったはず。
でも、このベストをまとめていく中で、音楽と新たな気持ちで接する事ができているように感じられた部分があり、ここ数年のもやもや感ともお別れできそうな気もしています。
まあ、そんな風に思わせるぐらいに充実した作品と多く出会えたという事だったのだと言えるでしょう。
旧譜に関しては、初回の記事で書いたので省略しますが、新譜に関しては、突出した作品はなくて、20枚に明確な差がある訳ではありません。
記事としてまとめるのが遅れただけに、それなりに聴き込みましたし、そんな微妙な差異を、現時点での自分の感覚として、適切と思える並びに何とか持ってこれたんじゃないかと思います。
2010年も3ヶ月が過ぎようとしていて、どれだけ2009年を引きずるねんとの思いで過ごしてきましたが、ベストの記事を書き終えて、私もこれで何とか2010年を迎えられそうです。
発売延期で今年になってリリースされたFreedy Johnstonの新作とか、ずっと聴きたかったのに、聴かずに我慢していましたからねぇ。
明日から聴きまくりですよ。

大幅に遅れてしまいましたが、これにて2009年のベストも完結です。
他にも何か書いておくべき事があったような気がしますが、思い出したら、また改めて書くとしますか。
記事へブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2


Best Albums Of 2009 - III

2010/03/30 23:20
2009年のベスト、続きです。

06. Pete Yorn / Back & Fourth
4作目。
2001年リリースのデビュー作が本当に素晴らしくて、その後の作品への期待が大きかったんだけど、2作目と3作目はやや低調だと感じられたのでした。
その3作目までが、『朝』『昼』『夜』をそれぞれにテーマにした3部作だったようで、その括りが作品全体の風通しを悪くしていたのかなと考えたりしましたが、どんなもんでしょう。
そんな訳で、新たな一歩となる作品だと思われますが、微妙なジャケット・デザインもあって、期待と不安が半々の中で聴いてみた作品でした。
実際に聴いてみると、1曲目の初めの部分を聴いただけで、あ、今回は違うなと思わせるものがありました。
どう違うのか、言葉ではうまく表現できないんだけれど。
曲自体を見ても、近2作よりも良く書けているように感じられ、デビュー作のように強力な曲はないにしても、じっと耳を傾けていたいと思わせるような佳曲が揃っていますよ。
Scarlett Johanssonとの共演盤(入手済みながら、未聴)も後を追うようにリリースされたし、創作への意欲が良い方向へ作用しているのかも知れません。
もっと素晴らしい作品を生み出せるはずとの思いもあるけれど、まずは良い作品を届けてくれて、満足です。
日本での注目度が高くないのが、何とも残念なとこで、来日の可能性も低いんでしょうねぇ。

07. Tim Easton / Porcupine
5作目ですね。
Brad JonesとRobin Eatonを久しぶりにプロデューサーに迎えての作品。
私を含め、ある種の人にとっては、このコンビの参加は保証書みたいなもので、しかも、すでにデビュー作で相性の良いとこを示していたので、この再コラボは嬉しいものがありましたよ。
で、期待して聴いてみると、その期待以上と思えるぐらいに充実した作品に仕上がっていて、何度となく繰り返して聴いておりました。
大音量で。
迷惑がかからないように、夜はヘッドフォンで(まあ、昼間でも良識の範囲内ですが)。
収録曲が過去の作品より特に優れているとは思わないけど、彼らしさを感じさせる良曲が揃っており、それらを最高の形で活かすような音作りがされている訳ですよ。
所々で効果音とかを使ったりしつつも、基本的にはバンド・サウンドで、特別な事はしていないのかも知れないけど、これだけ引き込まれるんだから、やはり何かあるはず。
余計な事をせず、曲が欲するままに楽器を鳴らすという事なんでしょうかね。
何だか良く分からんけども。
聴いていると飲みたくなるし、飲んでいると聴きたくなる・・・そんなアルバムだと言えば、手っ取り早いっすかね。
そして、2009年には待望の来日も実現(確か、子供の頃に日本で暮らしていたような話を目にした記憶があったりしますが)。
人柄の好さそうな顔立ちはライヴの際にも感じられ、とても楽しい時間を過ごしたのが思い起こされます。

08. Hot Club Of Cowtown / Wishful Thinking
ライヴ盤を含めると、これが6作目になるんでしょうか。
何年か前に来日していた辺りから聴いてみたいと思いつつも、そのまま歳月は流れ・・・
その後、活動停止状態だったようですが、久しぶりの作品を初めて耳にしてみました。
ジャンルとしては、Western Swingと呼ばれるものらしいけれど、あまり詳しい訳でもないし、特に先入観はなくて、Asylum Street SpankersやSquirrel Nut Zippers辺りとファン層が被っていそうというイメージがあるぐらい。
実際に聴いてみると、とても耳馴染みが良くて、程なくお気に入り盤になりましたよ。
上記の2バンドを好きなら、きっとこちらも・・・っていう感じですが、そういう人はすでに聴いている可能性が高いのかな。
収録曲を見ると、オリジナル曲は半数ぐらいで、残りがカヴァーなどになっていますが、オリジナルの方が良いのではと思えます。
夜のアルコールのお供にも申し分なく、心地良く酔わせてくれます。
他の作品も聴いてみたいし、何よりもライヴを・・・と思わせます。

09. Brendan Benson / My Old, Familiar Friend
4作目。
The Raconteursへの参加もあったりしたけど、そちらのデビュー作はあまり聴かなかったし、2作目は入手しないまま。
ソロ作品のリリースが途絶えない事、これが最重要ポイントですね。
デビュー作では、他の人達とは一味違う展開を見せる曲で、豊かな才能を示してくれました。
ところが、その後は行方不明状態になり、やっとの事で届いた2作目では、伝統的なポップ・ミュージック寄りにシフトしつつ、長い期間中に曲を書きためたのか、曲作りは前作以上に充実したものになっていて、待った甲斐があったなと思わせてくれたものでした。
3作目では、いくつかの曲は鮮明に記憶に残っているものの、なぜかそんなに聴かなかったんですよね。
そんな流れの中での新作、そんなに期待していなかったんだけど、繰り返して聴いているうちに、程なく心地良く響くようになり、思わず唸ってしまったような次第。
ブックレットの写真を見ると、少し年を取ったかなと思わせますが、いやいや、まだこれからだと言わんばかりの充実ぶりです。
全作品からのベスト的な選曲でのライヴを脳内で想像・・・
これって、かなりすごい事になるんじゃないかと。
そんな訳で、早く来日して下さい。

10. Kyle Vincent / Where You Are
5作目になりますか。
お蔵入りになり、後にリリースされた作品もあるし、未発表曲集もあったりで、実際に聴く事のできる作品はそれよりも多いのですが。
2009年には、3度目の来日も実現し、日本との絆が深まっているのを感じます。
その過去の来日で披露されていた曲も収録されていて、感慨が深いものがありますが、実はこれが個人的には問題だったりもして。
件の曲はラストに収録の"Petals Of Peace"で、初来日の際に初めて聴いたように記憶していますが、その時には彼らしい曲だなぐらいの認識だったのだけど、2度目の来日で聴いた際には、胸に迫ってくるほどの力強さを感じたのでした。
で、CDに収録された"Petals Of Peace"はライヴでの熱さとは程遠くて、実に淡々としたもので、これでは曲の真の魅力を伝えられていないのではと思わずにはいられなくて、制作面での改善があっても良いのではと思うようになった次第。
曲が良いだけに、それを活かし切れていないように感じられて。
作品そのものに集中すれば、別に過不足ないようにも思うけれど、生の歌を聴いた身からすると、こんなもんじゃないとの思いが強く残るんですよね。
まあ、でも、これまでの作品と同様、本作でも優れたメロディ・メイカーぶりを発揮しており、今後の来日の際に会場に来ていただくべく、多くの人に聴いてもらいたいのです。
初めて聴くのなら、入手しやすさを考慮に入れると、"Solitary Road"でしょうかね。

以上、6〜10位です。
次回で完結です。
記事へブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2


Best Albums Of 2009 - II

2010/03/29 23:20
かなり遅れてしまいましたが、2009年リリース作品のベストです。
オリジナル曲を中心にした作品が対象で、35枚ぐらいから選びました(実際に入手した枚数はもっと多いんですが、2009年中に聴けなかった盤は対象外なので)。
これまで通り、カヴァー曲で主に構成された作品は選外です。
初回の今日は、20位〜11位です。

11. John Wesley Harding / Who Was Changed And Who Was Dead
ソロ・アルバムとしては、"Adam's Apple"以来になりますか。
その後には、The Love Hall Trystでの作品があったし、来日も実現しましたよね。
京都でのライヴ当日は大雨で、そのせいもあってか、観客が少なかったのが思い出されます・・・
他にも執筆活動もこなしており、前作から5年も経っていたのかという感じ。
近作はどれも充実していて、折に触れて聴く事が少なくなく、そういった事も手伝って、あまり久しぶりだと感じさせないのかも知れません。
で、この新作ですが、基本的には近作と特に違う訳でもなく、彼らしさが十分に感じられる曲が多くて、安心して聴く事ができますね。
曲作りは相変わらず確かなものがあるし、彼のヴォーカルは本当に私好みで、もしかしたら、最も好きなヴォーカリストかも。
ライヴ盤も同梱されていて、お得感もあるし、聴かない手はありませんよ。

12. Justin Townes Earle / Midnight At The Movies
前年のデビュー・アルバムに続いて、早くも2作目(他に、EPがあり)。
その1作目は良くできたアルバムだったものの、まとまり過ぎているように感じられ、面白みには欠けているかなという印象でした。
その点、この新作は肩の力が抜けたように感じられ、曲調も多彩になり、全体的に風通しが良くなったように思えます。
曲作りの面でも、さらに進境を見せているし、今後が本当に楽しみになってきます。
もう親父の名前を出す必要もないでしょう。
伝統に根ざした音楽に真正面から向き合う姿が何だか眩しく感じられるような、そんな作品。

13. Elvis Costello / Secret, Profane & Sugarcane
何作目なのか数える気にはなりませんね。
前作の"Momofuku"から約1年で到着、相変わらず制作への意欲は衰えを知らないようで、頭が下がります。
その前作はストレートなロック志向を強めていたような印象がありますが、ここではルーツ寄りに・・・っていう事になるんでしょうね。
近年の作品はあまり熱心には聴いていなかったんだけど、前作は久しぶりに率直に良いなと思える作品で、ここも期待しつつ聴いてみると、曲も粒揃いだし、音作りも好ましく、完成度は高い(特に、ラストの3曲はとても素晴らしい)。
ならば、もっと上にランクさせてはと思わないでもないけど、まあ、何となく、この辺で。
1986年の"King Of America"を聴いた事がない人は、そちらを聴いてから、こちらを聴くようにすると良いでしょう。
その前に"Almost Blue"を聴かんでど〜する・・・などとおっしゃる諸兄方もいらっしゃいましょ〜が。

14. Diane Birch / Bible Belt
デビュー作。
派手な宣伝文句が付けられていたようですが、実際に聴く上では特に意味があるとも思えないので、あまり気にしないでおきましょう。
Carole KingやCarly Simon辺りを引き合いに出されており、聴いてみると、確かに通じる部分はあり、70年代前半頃の女性シンガー・ソングライターからの影響を強く受けていそう。
少なくとも、そのように感じさせるものがあります。
曲作りの才能を始めとして、優れたものは十分にあるように思うし、シーンの動向に左右されずに活動を続けて欲しいですね。
曲の粒揃い具合から言うと、もうちょっと上に持ってきても良いんだけど・・・っていう風に思っている事も付記しておきます。

15. Ted Russell Kamp / Poor Man's Paradise
前作のリリース時に、そのジャケットの雰囲気の良さに惹かれ、入手しようと思っていたはずなんだけど、手元にその盤はなし。
そんな訳で、数年遅れで彼の作品に接しましたが、実に味わい深くて、とても良かったです。
端的に言うと、本作はルーツ・ロックで、昨今の音楽事情、特に日本では注目されにくい音なのかも知れないけど、耳を傾けるに値するだけの質の高さを有していますよ。
名の知れたアーティストを含め、多くのゲスト参加も納得です。
Eric ClaptonやBob Dylanのライヴには大挙して人が集うのに、どうして、この国には現在のルーツ・ロックへ視線を向けている人がかくも少ないのか、何とも謎です。
まあ、それはそれですか。
過去の作品も聴いてみたいとこで、まずは素晴らしいジャケの前作ですね。

16. Sondre Lerche / Heartbeat Radio
Norwayのシンガー・ソングライターの5作目(EPやサウンドトラックを除く)。
2004年の2作目が彼の音楽との出合いで、じんわりと浸透するように気に入り、デビュー作やEPを遡って聴いたのでした。
その後の作品には手を回せなかったけれど、順調に活動を続けていたようで、本作を聴けば、充実ぶりがしっかりと伝わってきます。
ジャズ的なエッセンスを下地にしながらも、どこか捉え所がないようでいて、でも、親近感を抱かせるようなとこもあったりで、基本的には過去の作品の延長線上にあると言えそう。
強引に例えるなら、Rufus WainwrightとJosh Rouseの間ぐらいに位置しているというイメージでしょうか。
デビュー時には、まだ10代だったので、順調にリリースを重ねた現在でも27歳。
今後の活動にも注目したい存在です。

17. Bleu / A Watched Pot
ソロ・アルバムとしては4作目になるんでしょうか。
L.E.O.などのサイド・プロジェクトもあったりしたので、それほど久々という感じはしないけど、前作の"Redhead"のAwareレーベル盤が出たのが2002年なので、随分と間を置いてのソロ作品になりますね。
ただ、ダウンロードのみでリリースとなったEPとかもあるようで、私の場合、活動を追い切れていないような状況でしょうか。
大風呂敷を広げたような大胆さを有しつつも、細やかな表現力もあり、豊かな才能を感じさせます。
ただ、微妙に過不足があるように感じられて、私の好みとは少しずれるとこがあるかな。
まあ、でも、かなりのポテンシャルを有していると思えるし、今後の活動ですごい作品を産み落とすのではと期待をかけておきたいです。

18. Rhett Miller / Rhett Miller
ソロ活動も定着してきたようで、これが4作目(3作目じゃないですよ)。
2002年の"The Instigator"のポップさが忘れられないのは事実だけど、その後のバンドやソロの作品を聴いてきて、あれはあの時だけのものだったのかなと思うようになりました。
そういう思いでいると、この作品にも素直に接する事ができ、飾らない姿が投影された曲の良さを感じられるように思えるのです。
新たなファンを惹きつけるような強度はあまりないかも知れないけど、これまでの作品を聴いてきた人にとっては、魅力を再認識しつつ、新鮮に感じられる要素もちりばめられていて、好印象を十分に抱けるものになっているんじゃないでしょうか。
できれば、またライヴを見たいもんです。

19. Neal Casal / Roots & Wings
何作目でしょうね。
これまでにも何度となく来日していて、2009年にも来日が実現、私も久しぶりに生で聴く事が出来ました("Maybe California"もやってくれました!)。
まあ、基本的には、これまでの流れにある作風で、安定感があり、悪いはずがない。
しかし、過去のアルバムを超える内容かと言うと、そうではないかな。
もう少し何かが欲しい、そんな風に思えるのです。
Jim Scottともう一度組んで、アルバムを作って欲しい。

20. Sherwood / Qu
アルバムとしては、3作目ですか。
2年半ぶりぐらいのリリースですが、もうそんなに経ったのかと。
音を聴いてみると、確かに時の流れを感じさせるものがあるのですが。
デビュー作は瑞々しさに彩られつつも、どこか素朴な雰囲気が漂い、得がたい魅力のある傑作でした。
2作目は音作りが豪華になり、収録曲自体は充実していたものの、従来の魅力を失ってしまったように私には感じられました。
で、本作はと言うと、前作のように作りこまれておらず、かと言って、デビュー作の頃の感じに戻った訳でもなく。
ライヴ活動を経てきたからか、ライヴでの感覚をそのまま再現するのではないにしても、そこで得られたものをバンドとして反映させた音になっているように感じられました。
ちょっと男臭くなったとでも言いましょうか。
まあ、そうじゃない部分もあるだろうし、まだ聴きこみ不足かなとも思えるので、これぐらいにしておきましょうか。
とりあえず、前作のような方向性で進まなかったのは、個人的には歓迎したいです。

以上、11〜20位です。
総括は最終回にまとめて書かせてもらいます。
記事へブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2


Best Albums Of 2009 - I

2010/02/16 23:20
遅れてしまいましたが、2009年のベスト・アルバムを書き連ねていきます。
これまで通り、旧譜(2008年までにリリースされた作品)から始めます。
過去と同様、選考対象となるのは、2009年以降に初めて聴いたアルバムで、オリジナル曲が主体(半数以上ぐらいを目途に)となっている物とします。
その前年までに少し聴いていたりする物が含まれている可能性もあります。
対象となった作品は60枚ぐらいのはずで、今回は30枚を選びました。
作品の優劣による順位と言うよりは、2009年からこれをまとめた時点までにおける私の好みを表したものになっているんじゃないかと。
まあ、自分でも説明不能な部分もあるけれど、それはそれ。
深く考えすぎないようにしましょう。
では・・・

01. Fleet Foxes / S.T. (08)
02. Jeremy Messersmith / The Silver City* (08)
03. Low Stars / S.T. (07)
04. Icecream Hands / The Good China (07)
05. Guy Clark / Old No. 1 (75)
06. Jack The Lad / It's Jack The Lad (74)
07. Rainravens / Diamond Blur (97)
08. Firecracker / So Long Someday (05)
09. The Hooters / Time Stand Still (07)
10. Spirogyra / Bells, Boots And Shambles (73)
11. Sandy Denny / Sandy (72)
12. Eric Andersen / Blue River (72)
13. Fairport Convention / What We Did On Our Holidays (69)
14. Mr. D / Wings & Wheels (07)
15. Ally Kerr / Off The Radar* (08)
16. Band Of Horses / Everything All The Time (06)
17. Strawbs / From The Witchwood (71)
18. Barclay James Harvest / Octoberon (76)
19. Sandy Denny / The North Star Grassman And The Ravens (71)
20. Mike Rosenthal / Home* (07)
21. Guy Clark / Texas Cookin' (76)
22. Ray LaMontagne / Till The Sun Turns Black (06)
23. Sutherland Brothers / Lifeboat (72)
24. Alex Lowe / Boys United Never Die Young (01)
25. Dan Baird & Homemade Sin / S.T. (08)
26. Scrappy Jud Newcomb / Ride The High Country (08)
27. Fairport Convention / S.T. (68)
28. Cara Dillon / Sweet Liberty (03)
29. Barclay James Harvest / Gone To Earth (77)
30. The Doll Test / Mosque Alarm Clock (08)

長くなるので、上位10枚だけについてコメントしますね。
所々に赤面しそうな表現が含まれていそうですが、ご勘弁を。

01. Fleet Foxes / S.T. (08)
何の迷いもなく、これが頂点なのです。
Fleet FoxesはSeattleのバンドで、これは5曲入りのEPに続くデビュー・アルバム。
Sub Popレーベルからのリリースでもあり、日本ではインディ・ポップ系からの接点で耳にしている人が多いと思われますが、欧米ではフォーク・ミュージックを聴き親しんでいる層からの支持も少なくなさそう。
Sub Popの目利きの良さに改めて感服させられたりもしました。
古からの種々の遺産を糧としつつ、それらを消化あるいは昇華し、見事なまでに素晴らしい音世界を構築したもんだなぁ・・・って。
クラシックの宗教音楽からの影響も顕著なように感じられますね。
同レーベルのBand Of HorsesやThe Shinsなどとの比較も可能でしょうが、私はAmazing Blondelの事が頭に浮かんでしまって。
必ずしも似ている訳ではないけど、孤高な佇まいの中にも妙に親近感を感じてしまう点とかがねぇ。
DNAに刻まれた太古の記憶を呼び起こすような、そんな感覚があります。
かなり聴き倒しましたが、まだ聴き足りない。
私にとっては、これほどの作品に人生でどれぐらい出会えるのかと思えるほどの、本当に貴重なアルバム。
傑作。
彼らのライヴを見るまでは死ねません。

02. Jeremy Messersmith / The Silver City* (08)
2作目。
前作も素晴らしかったけど、それ以上でしょうか。
聴き始めた時点では、前作の印象が強かったせいか、すんなりとは入って行けなかったように記憶しているけど、今となっては、どうしてそのように感じたのか全く理解できず。
とても親しみやすいメロディは相変わらずで、才能の豊かさを感じさせてくれます。
それだけに、これまでにも何度となく書いている通り、CDの入手経路が限定される現況がもったいないですね。
知られたショップでは、Not Lameぐらいでしか取り扱っていないのかな。
私はNapで聴いておりましたが、近いうちにCDでと考えています。
愛すべき作品で、本当に素晴らしい曲がいっぱい。
あなたも好きになるはず。

03. Low Stars / S.T. (07)
Gigolo Auntsのメンバーが参加との事で知ったバンドのデビュー作。
熱い期待を抱きつつ聴きましたが、うん、これは良い。
とても良い。
こんな時代だし、ある意味で時代錯誤的な方向の音とも言えるのかも知れないけど、そんな時代の流れに乗っていたのでは、誰が音を聴いているんだかってなもんですよ。
聴きたい音を聴き、好きな音を愛すれば良いんですよ。
そう、こんな音を聴きたかったのだし、そして、口にはしないけど、書く事はできるので書きますが、こんな音を愛しているのだと改めて気付かせてくれました。
次作が待たれます。

04. Icecream Hands / The Good China (07)
Shinko Musicのパワポ本にも掲載されているAustraliaのバンドで、以前から気になっていましたが、このアルバムで初めて音を耳にしました。
何作目なのかな。
音の方向性として近いと思える存在がいくつか頭に浮かんだりもしたけど、何度となく聴いているうちに、別にどうでも良くなりました。
もう単純に聴いていて気持ち良くて、こういう作品は本当に貴重だと思う。
良い曲がいっぱい。
ポップ・ミュージック好きなら、入手できるうちに確保しておきましょう。

05. Guy Clark / Old No. 1 (75)
Texas州出身のシンガー・ソングライターのデビュー作。
傑作として名高い作品であります。
彼は1941年生まれなので、遅いデビューと言えそうですが、それ以前に、Jerry Jeff Walkerが彼の曲を取り上げていたりしており、機は熟したという言葉が最適と思えるような仕上がりのアルバムですね。
カントリーの範疇で語られる事も多いとの事ですが、そういう括りはあまり用を成さないかな。
静かな語り口は人懐っこい部分がありつつも、自分が日本人であるせいか、時代を経たせいなのか、この音の発せられた所(場所という意味だけでなく、精神的な意味みたいなものかな?)にはどうしても近づく事ができないような感覚があるような。
だからこそ、憧憬の思いを抱いてしまうのかも。
このような作品の前では、時の過ぎ方も何とも怪しくなりますね。
Bob Dylanのチケット、高過ぎ!・・・っていう方、これを聴いときましょ。

06. Jack The Lad / It's Jack The Lad (74)
過去の旧譜のベストにも登場していたLindisfarne。
そのLindisfarneが分裂し、Alan Hull以外の中心的なメンバーが結成したバンド、Jack The Lad。
私の中では、LindisfarneはUK的なウェットなポップさを有しつつも、US的な泥臭さを感じさせるルーツ志向をも併せ持ったバンドという印象。
そして、このJack The Ladはと言うと、US的な泥臭い部分は西海岸の乾いたカントリー・ロック風の音になり、UK的な部分はトラッド志向が増している点が特徴だとも言えるけど、カントリー色を強める中で埋没しているように思える部分もあり、その辺りはアルバム最後のトラッド・メドレーでバランスを取りつつ、次作以降に託されているような感じでしょうか。
まあ、次作以降も含めて、この辺りを聴き進めている段階なので、まだ把握しきれていないかなとも思うのですが。
難しい事を書き連ねたような気がしますが、別に敷居は高くなくて、気楽に楽しめる良作ですよ。
トラッド・メドレーはかなり強力で、体が思わず反応しちゃいます。

07. Rainravens / Diamond Blur (97)
Texas州Austinのバンドの2作目。
中心人物のAndy Van Dykeは2009年に再来日を果たし、私も初めてライヴを見ましたが、充実した楽曲もあって、とても楽しい時間を過ごしたのが記憶に新しいです。
ルーツ・ロック作品という事になるんでしょうが、基本的にはどの曲も親しみやすくて、ポップ・ミュージック好きの人にこそ聴いてみて欲しいと思うのです。
曲調も多彩で、それを過不足のない演奏できっちりとまとめているし、デビュー作と共に、90年代のアメリカーナ周辺のシーンを語る上で外せない作品なんじゃないのかな。
ここで名前を出すのが適切かどうか分からないけど、WilcoやSon Voltよりは、私はこちらを支持したい。
シンガー・ソングライター的な雰囲気を持った曲もいくつかあり、その辺りを好む人にも、この音が届きますように・・・

08. Firecracker / So Long Someday (05)
これ以前にEPをリリースしていたはずで、それに続くデビュー・アルバムかと。
Rhett Millerからの曲提供に加え、Ken Betheaも参加しており、Old 97'sとの繋がりを感じさせます。
でも、Old 97'sとは遠からずも、近からず・・・っていう感じで、ファン層は重複しそうだけど、具体的に似ているとまでは思わない。
根底にポップさを秘めた曲を程好いルーツ風味で料理しており、ある意味で、こういう音が最も好きな訳です。
実直すぎるぐらいにストレートなサウンドが頼もしいけれど、こういう音が広く認められにくい時代だけに、その後の作品が届かない事もあって、心配でもあります。
入手経路は限られそうだけど、気になるような人には是非とも聴いてみて欲しい作品。

09. The Hooters / Time Stand Still (07)
再結集を果たし、久々に届けられた新作。
ちょっと聴くのが遅れましたが、期待に違わぬ内容で、満足。
以前までも、それほど熱心に聴いていたという訳ではないけど、2000年前後から自分の志向がルーツ寄りにシフトするに連れて、そういう方向性を初期の段階で形作っていた存在だったのかなと思ったりもしていたのでした。
良く考えてみると、ポップとルーツの中間の最もおいしい所を音にしていたとも言えるので、私にとっては避けて通れない音だったのかも。
そんな理想を具現化していたのが、"Karla With A K"という曲だったのですが、まあ、あれほどの曲が新作に収録されていたとは思えないけど、あれからの時の経過を良くも悪くも感じさせないような作品に仕上がっていて、復帰作としては十分に合格点でしょう。
やっぱり、生で見てみたいとの思いが強くて、海外に比べて、復帰後の日本での注目度が低いように感じられるのが悲しい。
何とかならないかなぁ・・・?

10. Spirogyra / Bells, Boots And Shambles (73)
ブリティッシュ・フォークを聴くようになって何年かが経ちましたが、なかなかに奥深くて、まだ森の中をふわふわと行きつ戻りつしているような感覚。
そんなブリティッシュ・フォーク界隈でも評価がとても高い作品がこれ。
儚い響きが美しさへと昇華されたような曲もあるし、思いのほかに親しみやすさを感じさせる曲も少なくなくて、言葉では全体像を表現しにくい。
早い話、聴いてみるのが一番でしょうか。
女性ヴォーカル絡みで紹介される事が多いけど、男性ヴォーカルによる曲もあり、作品の実像を離れて一人歩きさせられてしまっている部分もあるような。
普通にポップ・ミュージックとして接しても、新鮮な感覚と共に耳にじわりとなじんでくるんじゃないのかなぁ。

全体を俯瞰すると、ここ数年の作品が中心で、そこに70年代の作品が加わっているような感じでしょうか。
60年代の作品で未聴のものも多いんだけど、SSW系やブリティッシュ・フォーク勢なんかの作品を追っていると、どうしても70年代のものが多くなりますよね。
まあ、実際に良い作品が多いし、今後もこの辺りを掘り下げて聴いていきたいですね。
それと、Fleet Foxesの存在は本当に衝撃だったので、現在のシーンにもそれなりに目を配り、自分にとっての重要作を聴き逃す事のないようにしなくてはとの思いを強めました。

次に、自分の中での再評価があった盤についてですが、脳内をサーチしてみたものの、特に見つからず。
重要な何かを忘れている可能性が大ですが、脳が衰えてきているものと思われ・・・
とりあえず、クラシック音楽への興味が再燃した年だったので、『クラシック音楽全般』をこのカテゴリーの回答とします。

続いて、カヴァー曲やトラッド作品を主体としたアルバムについて、少々。
正直に言って、そういう作品を別枠にする事の意味合いが自分でも説明できなくなってきているのだけど、かと言って、良く知られた曲ばかりで構成されたアルバムと新曲のみのアルバムとを同じ指針で評価なんて、私にはできそうもありませんしねぇ・・・
でも、トラッド初心者の私には、ほとんどのトラッド・ソングは初めて聴くものばかりで、そんなに先入観もないんですよね。
この辺の悩み所が直撃してしまったのが、Cara Dillonの2作品。
デビュー盤がトラッド主体で、上記のチャートの選考の対象外なのに対し、2作目は半数ぐらいが自作曲となり、こちらは対象内。
作品から受ける質感は大きく違う訳ではないのに、このような差になってしまうのが、どうにも困ったもんだなって。
かと言って・・・って、同じ事を何度も繰り返して書いてしまいそうですが。
とりあえず、このカテゴリーでは、以下の5作品が特に印象に残っています(アルファベット順)。
それにしても、Cara Dillon、彼女はホンマにええ声してはりますわ。

Albion Country Band / Battle Of The Field (76)
Martin Carthy / S.T. (65)
Cara Dillon / S.T. (01)
Emmylou Harris / Elite Hotel (75)
John Renbourn / The Lady And The Unicorn (70)

以上、振り返ってみると・・・
以前までもそうでしたが、さらに混沌としたラインナップになってしまったような気がしますね。
あの歴史的名盤が、どこの誰だか分からん連中よりも下とはど〜ゆ〜こっちゃい・・・ってな意見もありましょうが、上記した通り、これは現時点での私の好みを反映したものなので、こういう志向の人もいるんだという程度で見てもらえれば。
その上で、音楽を聴いていく中での何らかの参考になれば、とても嬉しいです。

それにしても、これをまとめるのに随分と時間がかかってしまいました・・・
次回からは2009年リリースの新譜を。
記事へブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 7


Best Albums Of 2008 - IV

2009/01/11 22:20
続きです。2008年リリースの作品の5位〜1位です。

01. Emmylou Harris / All I Intended To Be
02. Hayes Carll / Trouble In Mind
03. Ron Sexsmith / Exit Strategy Of The Soul
04. Tamas Wells / Two Years In April
05. Jim Boggia / Misadventures In Stereo

Emmylou Harris / All I Intended To Be
林道を歩く彼女を写したモノクロのジャケに惹かれ、やや久しぶりに手にした彼女の新作。そのジャケが表すように、人の歩く速度で展開される音があり、そこに描かれる深み、長い活動を経て生き残ってきたアーティスト故の表現力とでも言えそうなものが作品中に充満していて、とにかく、音に抱かれる快感を強く感じさせてくれました。これまで通り、自作曲と他のアーティストによる曲で構成されていて、それぞれが互いを引き立てているようにも感じられ、曲ごとの表情に豊さがありつつも、全体でのまとまりも十分だと思います。本当に素晴らしいです。傑作。

Hayes Carll / Trouble In Mind
3作目。Texasのシンガー・ソングライターのメジャー・デビュー作で、Brad Jonesをプロデューサーに迎えてのアルバム。一般的には、まだ知る人ぞ知る状態であろうし、私も名前を知っていただけで、音に触れたのは、これが初めて。アメリカーナ、ルーツ・ロック、まあ、どう言っても良いんですけど(でも、オルタナ・ほにゃらら・・・ってのは、どうもね)、それらのタームによって喚起されるイメージの最良の部分を具現化したような感じの音で、今年の作品の中で最も真っ直ぐに心に届いたのが、これでした。飲みながら聴きましょう。

Ron Sexsmith / Exit Strategy Of The Soul
彼の作品が悪い物になるなどという事は想像もしていないし、本作も水準以上の作品です。しかし、長く聴いてきた立場として言わせてもらうなら、新たな試みも見られ、意欲的な作品であるとは思うものの、彼の作品としてはやや低調な部類に入ると思います。まあ、でも、この順位っていうのが、昨今の私の音楽生活を表しているのかも知れません。まあ、でも、傑作揃いの過去作と比べるから分が悪く感じられるのであって、単独の作品として見れば、佳作以上の評価も可能でしょうし、ここに収められた曲がライヴでどのように演奏されるのか、早く聴かせてもらいたいんですけどもね。

Tamas Wells / Two Years In April
3作目。来日が迫っていた時期に、本作も含めた3作を短期間のうちに入手して聴く事になり、やや正常さを欠いた接し方になってしまったのだけど、まあ、それはそれ。過去の2作はバンド作品として捉えるのが正しいんでしょうけど、これはソロ作品というべき内容で、そこに秘められたメッセージをきちんと受け止めるためには、細心の注意を払う必要がありそう。私はそこまでの域には達していないので、表層的な評価になってしまいます。限られた楽器による音作りで、もう少し多様性が欲しいと思わせる部分はあるものの、作品が求める要素を考慮すると、やはり、これが適切なのかなとも思い直す訳です。今後の活動を考えると、的確なプロデュースをできる人と組んだ作品を聴いてみたいと強く思うけど、この作品の立ち位置あるいは貴重さについても認識しておくべきなのでしょう。

Jim Boggia / Misadventures In Stereo
3作目。これまでの2作に比べると、全体的にマイルドになり、均質化されたような印象。ドキドキ感は少し薄れたけど、収録曲は相変わらず充実していて、安心して聴けますね。曲作り、音作り、共に素晴らしいセンスを感じさせますが、彼の声、これが最も重要なポイントかなと思う今日この頃。一部の人で楽しむには、あまりにもったいない作品でしょうし、豊かな才能を持ったアーティストだと思う。今後にも期待が膨らみます。

以上、長々と4回に渡り書かせてもらいました。選に漏れた中にも気になる盤はあり、Mudcrutch、Roger Joseph Manning Jr.、Neil Halstead、Hotel Lightsなど、それぞれの持ち味を発揮していて、印象に残っています。Travis、Denison Witmer、Jules Shear、Matthew Sweetなどは、期待が大きかった事もあるし、今の私の波長にあまり合わなかったりで、選外としました。まあ、後々に良さに気付かせてくれるものと期待したいです。

決め手がないだの、何だかんだと書いたりもしたけど、やはり、素晴らしさを感じさせる盤が並んでおり、2008年も音楽と共に歩み、生きてきたのだと実感します。音楽との距離感を測りかねたり、自分の感度を疑ってみたり、そういった事も含めて、それが音楽を聴くという行為であるんだろうし、奥深さなのかも知れません。別に借り物の確信で音に接していたい訳じゃなし、自分の感覚を大事にしつつ、今年も音楽を聴いていこうかと。そう考えると、2008年も重要な年だったのかな。

では、以上という事で、今年もよろしくお願いします。
記事へブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 3


Best Albums Of 2008 - III

2009/01/09 23:20
続きです。2008年リリースの作品の10位〜6位です。

06. Nada Surf / Lucky
07. Jakob Dylan / Seeing Things
08. Elvis Costello And The Imposters / Momofuku
09. Blue Mountain / Midnight In Mississippi
10. Mando Saenz / Bucket

Nada Surf / Lucky
ポップと言うには、どこか一歩引いたような冷静な視点を持っているように感じさせるバンド。近2作にも惹かれる要素はあったものの、自分との距離感をやや感じてきたのも偽らざる所。本作にも、最初はそういった部分もあったのだけど、それも次第に霧散していき、心地良さに浸れるようになりました。前作の"Always Love"ほどのキラー・チューンはないものの、粒揃いの良曲に占められた佳作。ライヴだと、どんな感じなんでしょうね。

Jakob Dylan / Seeing Things
The Wallflowersでの5作品の後、本作でソロ・デビュー。The Wallflowersのデビューから数えると、もう15年以上になる訳ですね。The Wallflowersの近作はポップ寄りにシフトして、個人的には煮え切らない部分を感じていたので、そちらを一時休止してのソロ作品は大歓迎でした。音の方もソロ作品としての必然性が十分に窺えて、彼の素の部分に接近したように感じられる曲が並んでいますね。これを経ての次なる作品、期待して良いのかな?

Elvis Costello And The Imposters / Momofuku
近年は作品ごとにスタイルを衣替えするような感じで、正直なところ、自分には必要な音だとは感じていませんでした。まあ、時間がいくらでもあれば、それぞれに堪能するための時間を割けるんでしょうけど。本作は基本に立ち返ったと言うか、まあ、理屈云々を用意せずに聴ける盤になっていて、私の耳にもすんなりと馴染んできました。やはり、こういう曲でこそ、あの声も最大の魅力を発するなと改めて感じましたよ。誰か、彼にそう言ってあげて下さい。

Blue Mountain / Midnight In Mississippi
復帰作ですね。少し前に記事にしたので、詳しくはそちらを見てもらうとして。バンド解散後は、それぞれにソロ活動や新たなプロジェクトをしたりしていた訳ですが、まあ、一部しか追えないし、こうして再び集って作品を出してくれた方が何かと嬉しいのです。年齢を重ねた事によって深みを増していると感じさせるのは当然でしょうけど、瑞々しさも増しているように思えたんですけど、そう感じたのは私だけ? 男女ヴォーカルが寄り添うとことか、音楽の根源的な魅力を示してくれているようで、何物にも代えがたい素晴らしさに身悶えしてしまいそう。さらに聴き込めば、もっと良さが増しそう。

Mando Saenz / Bucket
Mexico生まれで、Texas育ちのシンガー・ソングライターの2作目。緩やかな起伏を描くメロディに耳を傾けていると、何とも心地良く、得がたい魅力を感じます。前作に比べると、全体の展開にもメリハリがついて聴きやすくなっているし、曲作りの面でも更なる進境を示してくれていますね。AMGにあるように、Ron SexsmithやRufus Wainwrightと比較されるというのも納得で、通じる部分は少なくないと思う。他では、Neal Casalとかが好きな人にも好まれそうな気がします。Nashvilleでの録音で、myspaceから察するに、現在は同地で活動しているようです。Kim RicheyやWill Kimbroughとの共作もあり。良いです。聴いてみて下さい。

以上、2008年の6位〜10位でした。まあ、特に順位を云々するほどに際立った差がある訳でもなく、どれも佳作として多くの人に聴かれて欲しいと思わせる盤ですね。ベストの選は次回にて完結です。
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


Best Albums Of 2008 - II

2009/01/08 23:20
2008年のリリース作品のベスト作品を選んでみました。選出の基準は過去と同様で、オリジナル曲を中心(半分程度を目途)にした作品が対象で、35枚ぐらいから選びました。Freedy Johnstonのアルバムなど、カヴァー曲で構成された作品は選外です。まあ、そのFreedy Johnstonのアルバムが最も理屈抜きで楽しめた作品だったりもするんですけどもね。ふっ。初回の今日は、20位〜11位です。

11. Jackie Greene / Giving Up The Ghost
12. Lucinda Williams / Little Honey
13. The Band Of Heathens / S.T.
14. Sloan / Parallel Play
15. Ben Folds / Way To Normal
16. The Wellingtons / Heading North For The Winter*
17. Justin Townes Earle / The Good Life
18. R.E.M. / Accelerate
19. Old 97's / Blame It On Gravity
20. Gary Louris / Vagabonds

Jackie Greene / Giving Up The Ghost
Verve Forecastを離れて、429 Recordsというレーベルからの作品。しかし、Steve Berlinを引き続きプロデューサーに迎えて、音はさらにコンテンポラリーな色合いを強めています。従来の魅力を引き継いだような曲も少なくなく、相変わらず水準の高さをキープしていますね。ただ、これ以上に風呂敷を広げた音作りにシフトしていくと、その辺に転がっていそうな音と差異が少なくなり、彼の存在意義が薄れてしまうように思われるので、今後の作品には注意しつつ接する必要があるかなと。まあ、でも、一般的な視点では、聴きやすさが増していると言えなくもないんでしょうし、新たなファン獲得に繋がるのであれば、それはそれで良いのかも。5曲目はJohn Cougar Mellencamp(John Mellencampではなく)っぽくて、何だか微笑ましい。

Lucinda Williams / Little Honey
聴き始めて間もない頃の段階では、いくつか収められたロック・チューンに目を奪われ、ちょっと評価しづらい作品かなと思っていたけど、繰り返し聴いているうちに、これまでの流れにあると思われる曲がじわりと浸透してきて、やっぱり良いなぁ・・・と。珍しく短い間隔でのリリースとなったものの、収録曲の質の高さはさすがと思わせます。さらに聴き込めば、もう少し上位にランクさせる事になるんじゃないかと思いつつ、今日を迎えました。嘘でも良いんで、来日して下さいよ。

The Band Of Heathens / S.T.
2008年一番の濃厚盤。アメリカというのは不思議な国で、短い歴史の間に、どうしてあれほどの多様な音楽が連綿と生み出されてきたのか、色々な作品に接するうちに、思い至らせられます。カントリーやブルーズを始め、それぞれのルーツ音楽はマーケットとしては独立した存在であるのかも知れないけど、市井の音としては境目なく存在しているんじゃないかとも思えるのです。枝分かれしてきたにしても、根っこではつながりがあるはずし、優れた試みによって再ブレンドされた音に接すると、まあ、そんな議論は置いといて、耳を傾けてガツンと体を揺さぶられるのに任せてしまえば良いかってな具合になる訳です。まあ、本作の真の魅力を語るには、更なる精進が私には必要ではありましょうが。

Sloan / Parallel Play
もうベテランと言っても良いぐらいのキャリアになってきたSloan。近年の作品も良作でしたが、本作も彼ららしさに溢れた作品になっていて、バンドとして良い具合に年を重ねているなと思わずにはいられません。すごい事をやっている訳ではないんだろうけど、琴線に触れるメロディはいつ聴いても心地良く響くし、バンドの佇まいも、ただ好きな音楽をやっているだけとの姿勢が以前からずっと感じられ、身近な音として親しみを感じさせます。ややラフな一面が増したと思える本作、来日への期待をこれまで以上に高めるんですけどねぇ。

Ben Folds / Way To Normal
久々にアップな面を表に出した作品で、本人の意気込みが感じられますね。その分だけ、ソロでのこれまでの2作に比べると、メロディへのこだわりは薄れているように思え、その辺りがBen Folds Fiveのデビュー作との大きな違いかなと。まあ、あの鉄壁の作品と比較しちゃうのも、どうなのかという気もしますが。ただ、冷静に見ると、メロディ志向が強まり過ぎていたのも事実なんでしょうし(大歓迎な志向ですけども)、こういう方向に向かうのも必然だったのかなと思える。もちろん、悪い出来ではなく、早くライヴで聴きたいと思わせる曲が並んでいますよ。

The Wellingtons / Heading North For The Winter*
元気印のパワー・ポップが眩しいアルバム。正直なところ、真っ当なギター・ポップやパワー・ポップとの距離感を以前よりも感じるようになってきているような気がしていて、この作品も以前であれば、もっと高く評価したかも知れません。彼らの作品を聴くのはデビュー作以来で、その時には曲の個々の表情に欠けるような印象がありましたが、本作ではそういったとこも解消されているように感じられ、屈託なく楽しめるポップ作品になっていますね。やはり、ライヴを体験してみるべきなのでしょう。

Justin Townes Earle / The Good Life
作品について語る前に、誰それの息子と紹介されてしまうのは、もう避けられないでしょう。私もそれに触れずにいるのは、無理でしたし。でも、実際に作品に耳を傾けてみると、真摯に音と向き合う姿に気付かされ、余計な事は次第に意識から遠のくようになりました。すでに自分の発するべき音を心得ているように感じられるのが、頼もしいような、逆に少し不満にも思えたり。まあ、その辺りがどう変化するのか(あるいは、しないのか)も含めて、今後の活動も追いたいなと思わせるデビュー・アルバムです(これ以前に、EPをリリースしています)。

R.E.M. / Accelerate
初期の頃を彷彿させるギター主体のスタイルに回帰したとして、ファンの間でも概ね好評を得ていると思われる作品。私はと言えば、期間を置いて聴く度に、割りと作品の響き方が変化しているのが現状で、ある程度の定まった評価をするには、もう少し時間が要りそう。文句なく好きな曲もあるし、このようなアプローチも理解できるし、歓迎もしたい。でも、どこか違和感が残るのも確かなんです。それが何に対してなのか、自分でも良く分かりませんが。そんな諸々を吹き飛ばすべく、来日してくれりゃ〜良いんですけど。

Old 97's / Blame It On Gravity
前作はどうも歯車が狂っているように感じられ、あまり良い作品だとは思えませんでした。Rhett Millerのソロ活動やレーベル移籍など、色々とあったので、その辺りが作用していたのかな。まあ、それは置いといて。その前作後、Rhett Millerのソロ作品が再びリリースされ、並立しての活動も板に付いてきたのか、本作は期待に応える良作になっていますね。以前のような熱さやポップさとは少し距離を置き、落ち着いた中にも瑞々しさが感じられ、得がたい魅力を放っていますね。ライヴを見るには、あちらへ飛ばないとダメなんでしょうかねぇ。

Gary Louris / Vagabonds
The Jayhawksの中心人物として活動してきたGary Lourisの初のソロ作品。バンド時代の音をそのまま期待すると、どこか肩すかしを食らったような気にもなりそうですが、音そのものにじっくりと耳を傾けてみると、彼がソロ作品として発したかったであろう音がじわりと沁みてきて、次第に作品の良さに気付かされるのです。随所で感じさせる質感は、やはり彼ならではと思わせるものだし、こういうアプローチもソロ・デビュー作としては十分に理解できるところです。Mark Olsonとの共演盤は未聴なので、そちらを聴いた上で、また新たに感じるとこがあるんじゃないかと思ったりもしています。まあ、鉄壁の布陣でThe Jayhawksとして再始動してくれるのがベストだったりするんですけども。

年の終盤になってから聴いた盤もあり、作品に関する印象もまだまだ流動的ですね。1年後には、全く違う感想を持っているかも知れません。限られた時間と次々にリリースされる作品、どうにも折り合いがつかないけれど、もう、どうしようもありません。何とかしたいと感じつつも、気付けば幾年も過ぎている、そんな状況ですし。現時点までに感じた事をまとめてみたので、何らかの参考になれば幸いです。続きは明日以降に。
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


Best Albums Of 2008 - I

2009/01/07 23:20
これまで通り、2008年リリース以外のものからスタートです。基本的には、2008年になって初めて聴いた盤を対象にしていますが、それ以前に少し聴いていたのも含まれている可能性があります。どれぐらいの枚数からの選なのか、自分でも把握できていませんが、おそらく70〜80枚程度なのではと私の頭の中では想定しています。Napでのみ聴いた作品に関しては、どうしようか考えたものの、料金を払って音源に接している以上、他と同様に選に入れるのが妥当と判断し、普段のリストと同じく、タイトルの右端に(*)を付して表示しておきました。

当然ながら、聴くのに割いた時間もばらばらですし、順位も便宜的につけたような部分もあり、現時点での暫定的な尺度を表す試み程度として受け止めてもらえると気が休まります。良し悪しについて言及する事があるかも知れませんが、私の好みに依拠してのもので、それ以上の意味はありません。

01. Tamas Wells / A Plea En Vendredi (06)
02. Jackie Greene / American Myth (06)
03. Justin Currie / What Is Love For (07)
04. Jim Boggia / Safe In Sound (05)
05. Dan Wilson / Free Life (07)
06. Josh Rouse / Country Mouse City House (07)
07. Jeremy Messersmith / The Alcatraz Kid* (06)
08. Ryan Adams / Easy Tiger (07)
09. Alex Lowe / Step Forward All False Prophets* (06)
10. Maritime / Heresy And The Hotel Choir (07)
11. Matt Nathanson / Some Mad Hope (07)
12. Amazing Blondel / Fantasia Lindum (71)
13. Steve Earle / Washington Square Serenade (07)
14. Bruce Springsteen / Magic (07)
15. Amazing Blondel / Evensong (70)
16. Doug Burr / The Sickle & The Sheaves* (03)
17. Gingersol / The Train Wreck Is Behind You (01)
18. Eliza Gilkyson / Lost And Found (02)
19. Kevin Carroll / Tourmaline (07)
20. Piebald / All Ears, All Eyes, All The Time (04)
21. Binocular / S.T. (01)
22. Michael Fracasso / Red Dog Blues* (07)
23. Tamas Wells / A Mark On The Pane (04)
24. The Red Button / She's About To Cross My Mind (07)
25. Frankie Miller / Once In A Blue Moon (72)
26. Michael Fracasso / When I Lived In The Wild (95)
27. Jesse Malin / The Fine Art Of Self Destruction (02/03)
28. Albert Hammond, Jr. / Yours To Keep* (06/07)
29. The Pearlfishers / Up With The Larks (07)
30. This Perfect Day / S.T. (93)
31. The Elms / The Big Surprise (01)
32. Popium / The Miniature Mile (07)
33. The Hoosiers / The Trick To Life (07)
34. Alex Cuba Band / Humo De Tabaco (04/05)
35. Steve Earle And The Del McCoury Band / The Mountain (99)
36. Silver Sun / S.T. (97)
37. Neil Young / S.T. (69)
38. The Apples In Stereo / New Magnetic Wonder* (07)
39. Denison Witmer / Of Joy & Sorrow (02)
40. Sparkwood / Kaleidoscopism (07)

長々と30枚・・・いや、40枚になっていますね。誰が書き足したんでしょうか。油断すると、さらに書き加える輩が出てこないとも限りませんからね。恐ろしい事です。すっかり忘れてしまっている重要盤とかもありそうですけど、あったらあったで、ごめんなさい。それと、このリストを作成している段階で気付いたんですけど、Albert Hammond, Jr.のソロ・デビュー作のタイトルを"In Transit"だと勘違いしていましたが、上記の"Yours To Keep"が正しいタイトルですね。なぜか勝手に"In Transit"だと思い込んでしまっていました。過去の記事についても、訂正しておくようにします。ごめんなさい。

Tamas Wells / A Plea En Vendredi (06)
前年から気になっていたTamas Wells。2008年には来日もあり、私もライヴを見る事ができました。これは2作目で、その前後も含めた3作を短期間のうちに一気に聴く形になり、作品への接し方としてはやや心残りもありますが、今さらどうこうできる訳でもなく。上位にランクさせた本作ですが、本作も含めた彼の作品については、曲作りの確かさや、独自の作風を持っている事については高く評価しているものの、曲調やアレンジ面で、やや単調と感じさせる部分があるように思え、その辺りが改善されると名盤を生み落とせるだけの才能を十分に秘めているのではないかと思っています。

Jackie Greene / American Myth (06)
Jackie Greeneの作品を上位に選ぶのは、これで3年連続になりますね。じわじわと追いかけて、2008年の新作でやっと追いついた形になります。前作がVerve Forecastから再発され、本作が同レーベルからのメジャー・デビュー盤になったと言って良いでしょうか。基本的には、これまでとは変わっていないように思うものの、多少はコンテンポラリーな方向へとシフトしている部分もあり、聴きやすさは増しているかも。語り出すと長くなりそうなので、手短にしましょうね。これまで通りの良作になっていますが、本作に収録の"Supersede"は2008年に聴いた中でも最も中毒性の高い曲で、とにかく気がつくと聴きたくてしょうがない状態で、聴く度に良い気分に浸らせてくれました。問答無用の名曲だと思っています。

Justin Currie / What Is Love For (07)
ソロで戻って来ましたよのJustin Currie。バンドとしての活動も伝わって来なくなり、どうしているんだと勝手に心配していましたが、手腕は鈍るどころか研ぎ澄まされていたようで、Del Amitriでの(現時点での)最終作の煮え切らなさを一気に脱して、素晴らしい歌の数々を届けてくれました。曲作りやヴォーカリストとしての魅力を十分に認識していたつもりだったけど、これまで以上に大切に思えるような作品に仕上がっており、Del Amitriの作品をこれまで聴いてきて、そして、ソロになっての作品にも触れる事ができて、本当に良かったなと思いました。来日、待っていますよ。

Jim Boggia / Safe In Sound (05)
Tamas Wellsと並んで、2008年の私の音楽生活において大きな存在となったJim Boggia。放置気味だったデビュー作の素晴らしさに、まず魂を抜かれ、その後の2作がダメ押しに。シンガー・ソングライターらしさを感じさせる曲から、キラー・チューン級のパワー・ポップな曲まで、とにかく、良い曲が並んでいます。魅力いっぱいのヴォーカル、センスを感じさせる音作りなど、好きになる要素がてんこ盛り。発表済みの3作から、どれかを選ぶとなると、デビュー作かなと思うけど、この2作目もかなり強力。日本発で人気に火を点けたい。

Dan Wilson / Free Life (07)
Dan Wilsonのソロ・デビュー作"Free Life"。Semisonicの中心人物として印象的な作品を残してくれていたものの、活動が伝わって来なくなり、次第に意識の中での存在感が薄れていた頃に、Dixie Chicksの作品に参加、共作を始めとして、準メンバーと言えそうなぐらいの活躍を見せ、グラミー賞を獲得したりもしました。そして、彼の作品の登場を待つばかりの状況でリリースされたのが、本作。事情により、翌年になって聴く事になってしまいましたが、これは期待以上と言える出来で、バンド時代以上に魅力ある作品になっているんじゃないでしょうか。彼らしさは薄まる事なく、より歌に想いを込めたと思わせる楽曲が心地良く響きます。素晴らしい作品です。

Josh Rouse / Country Mouse City House (07)
00年代を代表するシンガー・ソングライターとして、コンスタントに良作を届けてくれているJosh Rouse。音楽メディアを含めた世間は話題を生み出したり追いかけるのに忙しそうですけど、あたふた動かずとも、こうして耳を傾けるべき音を発しているアーティストが今も昔もいると私は思う訳です。他の事を考えられなくなるような名盤ではなく、音に寄り添うと、心を穏やかにしてくれて、自分をあるべき状態にいつの間にかしてくれるような、そんな作品。この距離感を保ちたい。

Jeremy Messersmith / The Alcatraz Kid* (06)
2作目が2008年にリリースされたJeremy Messersmithのデビュー作"The Alcatraz Kid"。2008年に加入したNapで、Alex Loweと共に最もよく聴いた作品。そんな訳で、どんな感じで制作されているのかとか、良く分からないのですが、手作り+宅録的な雰囲気の、懐かしさの中に今日的な試みが見え隠れした音で、私の耳にもジャスト・フィット。CD Babyで取り扱うぐらいの、最低限度の流通をすれば、ファンの裾野が広がるはずだし、何でそうしないのか、理解できませんよ。モッタイナ〜イ!

Ryan Adams / Easy Tiger (07)
常にリリース・ラッシュとも言える状態で、全ての作品を追えている訳ではないけど、良い作品での素晴らしさは彼の天才性を実感せずにはいられない。とにかく充実していたという印象の"Cold Roses"には一歩譲るものの、これもかなり良いですね。聴き始めたからの期間も短く、聴き込めば、さらに耳に音がなじみそう。FRFでは色々とあったようだけど、単独で再来日して、生で歌うのを聴いてみたい&見てみたいもんです。

Alex Lowe / Step Forward All False Prophets* (06)
Alex Loweの"Step Forward All False Prophets"はオンライン限定でリリースの3作目。彼の作品を聴くのは、デビュー作に続いて。基本的には、シンプルなスタイルのフォーク・ロックで、無骨と言えそうなぐらいにストレートな作風。どこか漂う甘酸っぱい響きが何とも郷愁感のようなものを感じさせ、以前と変わらぬ魅力を放っていますね。そんな資質の持ち主だけに、今後の活動に心配が及ばざるを得ず、それだけに、この音の貴重さが増す・・・という悲しさ。

Maritime / Heresy And The Hotel Choir (07)
Maritimeの3作目"Heresy And The Hotel Choir"。2作目は停滞感とでも言えそうなものを感じさせましたが、メンバー・チェンジを経ての本作は軽快な曲が並び、吹っ切れたのかなと思わせる作品に仕上がっていますね。デビュー作が素晴らし過ぎたので、あれを超える物や同等のを期待してしまうと、この音を素直に楽しめなくなってしまいますからね。Daveyの姿が思い描けるという意味では、本作が最もバンドの姿を等身大で表現している作品かなと思う訳です。

初めの方で述べた通り、順位にそれほどの重要性がある訳でもありません。コメントの中のニュアンスを読み取ってもらえると、ありがたいかなと思っていますし、それはこの記事だけでなく、普段の記事についても、同様です。これまでの記事でも言及していたように、どこか音楽との距離感を測りかねている部分があり、コメントの歯切れも悪くなりがちかなと自分でも認識していたりするんですが。

昨年の夏から加入したNapですが、貴重な音源に接する事ができたりしたし、興味を引かれた作品を気軽に聴いてみたりできるなど、支払った金額分ぐらいの活用は十分できたかな。まあ、でも、これがあれば、CDを買わなくても良いや・・・ってな心境には程遠く、気に入った作品でCD化されている物に関しては、やはりCDとして手元に置いておきたいんですよねぇ。困ったもんですけど。自分なりの最適な使い方を見つけるまでは、もう少し時間が必要なのかも知れません。

次に、自分の中での評価が大きく上昇した盤について。それまでに聴いていたものの、真の魅力に気づけていなかった作品と言って良いでしょう。

01. Mark Knopfler / Shangri-La (04)
02. Jim Boggia / Fidelity Is The Enemy (01)
03. The Notting Hillbillies / Missing...Presumed Having A Good Time (90)
04. The Finn Brothers / Everyone Is Here (04)
05. The Chamber Strings / Month Of Sundays (01)

別に順位じゃなくて、印象に強く残っている作品から並べてみました。これまでに何度も書いているMark Knopflerは改めて書かなくても良いでしょう。激しくツボでした。Jim Boggiaは本作を含めて、3作全てが素晴らしく、要注目の存在です。他の3枚もそれぞれに魅力があり、これからも折に触れて聴く事になるはず。

長くなり過ぎたので、この辺にしておきましょうか。コメントできなかった盤についても、それぞれに良さがあり、楽しませてもらいました。今後の記事で触れる事になる作品もあるはずです。では、次回以降で2008年のリリース作品を。
記事へガッツ(がんばれ!) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2


Best Albums Of 2007 - II

2008/01/09 23:20
今日は2007年のリリース作品からベストの10枚を。オリジナル・アルバムに限定するなど、対象アルバムの基準は前年と同じで、枚数は前年比約半分の20枚ほどから選びました。近年で最少の新譜購入枚数であり、そういう状況で選んだものだという事を認識した上で見てもらえればと思います。

01. Jesse Malin / Glitter In The Gutter
02. Lucinda Williams / West
03. Gurf Morlix / Diamonds To Dust
04. America / Here & Now
05. Jason Falkner / I'm OK... You're OK
06. Travis / The Boy With No Name
07. Sherwood / A Different Light
08. Fountains Of Wayne / Traffic And Weather
09. Mark Olson / The Salvation Blues
10. Future Clouds & Radar / S.T.

上位の3枚はどれを上に持ってくるかで迷ったけど、勢いのあったJesse Malinとしました。そんなに期待して聴いた訳ではなかったので、初めのうちは軽いショック状態で、何度も繰り返して聴いてしまいました。ある程度の段階を経てからの、さらに聴きたいと思わせる魔力という点では、去年のWillie Nileに一歩譲りますが、それでも素晴らしい曲揃いの傑作ロック・アルバムでしょう。やられた!

Lucinda Williamsの"West"を2位に。これまでに何度となくグラミー賞を受賞している事を持ち出すまでもなく、USのルーツ・ミュージックにおける最重要人物の1人。1998年の"Car Wheels On A Gravel Road"はアメリカ音楽の到達点を示した金字塔的作品だったと私は認識していますが、その後の作品は意識的にそこから遠ざかろうとしているような印象を受けていました。前作辺りで、その答えが見つかりかけているのかなと思わせましたが、それが当たらずとも遠からず・・・というのが新作を何度も聴いての感想。すでにAmericanaというタームでは語りにくい音楽性を示しているし、これまでのファンの間でも評価は分かれそう。私は高く評価しました。傑作。ラストのタイトル曲"West"は今年最も心を奪われた曲。

Gurf Morlixの"Diamonds To Dust"は2000年の遅いデビュー作から数えて4作目。そして、2007年最大の驚きでもある奇跡の来日も果たしました。Lucinda Williamsとの関連も含めて、半ば伝説化して捉えてしまっている部分があるもんで、未だに信じられない。そんな来日の寸前にリリースされた作品。これが期待以上に素晴らしく、彼の最高傑作と言える仕上がり。CDが届いてからライヴまでは1週間ぐらいだったはずだけど、すんなりと曲が心になじみ、ライヴへの期待感を煽り、そして、その期待に十分に応えるライヴを披露してくれたのでした。再来日へ向けての一歩として、彼の作品を聴いた事がない人にも聴いてもらいたい。傑作です。

4位のAmerica。これが一番すんなりと順位が決まりました。デビューから35年を経ての作品とは全く思えないような瑞々しさを感じさせ、この年、最も幸せな気分を運んでくれたアルバム。新旧の共演もあってか、70年代のポップ・ミュージックの空気感が現在形で表現されたような感じがあります。かつてのAmericaのファンはNada SurfやFOWを、Nada SurfやFOWのファンはAmericaを・・・っていう感じで本作を通じて出会うと良いのだけど、実際はそんな期待通りにはならないのかなぁ。

Jason Falknerの9年ぶりの新作がやっと届き、淡い期待でもあった来日がついに実現。目を閉じて思い起こせば・・・あの笑顔がまだ思い浮かびますよ。過去の2作はずっと聴き続けてきたし、特に2作目は心の名盤とも言える存在なので、そちらとの比較はしないのです。過去に比較して聴いたせいで良さに気付くのが数年遅れとかいう経験を何度となくしているのでね。そんな訳で大きな期待を抱きつつも、心を落ち着けて聴いたアルバム。最初はじわりと感じるぐらいですが、ある段階を経ると、急速に独特の音世界が脳の波長と結びつくような感覚。うまく説明はできないけど、これは他では感じられない。新たな魅力を発しつつも、彼らしさは健在。次作は待たせずに届けて欲しい。

Travisの5作目"The Boy With No Name"。1999年の2作目"The Man Who"が出会いのアルバムで、当時はシングルCDも買ってしまっていたほどでした。これ以上ないと思えるぐらいのメロディを秘めた曲の数々に心酔していたのでした。その後の2作も水準以上の出来ではあるけれど、2作目に感じられた天然の香りが薄れてしまったようにも感じていました。それが戻っているのかと言えば、ちょっと違うかなとも思うのだけど、その2作にはなかった何かが感じられるのも事実。能力の高さを示してみせた秀作。

Sherwoodの2作目"A Different Light"。2005年のデビュー作を随分と気に入り、それに追い打ちをかけるようにリリースされました。以前にもコメントした通り、素朴さの残るデビュー作に比べると、メジャー仕様となった2作目はきっちりと作り込まれていて、本来の持ち味の一部が薄れてしまったように感じられるのです。まあ、世界へと羽ばたこうとしているバンドとしては当然のステップなんだろうとは理解していますが。その辺りを冷静に捉えてみると、確かな曲作りに支えられたポップ・ロック作品として光を放っていると思う。ライヴで魅力爆発のはずで、来日が待たれます。日本盤もリリースされるし、ブレイクは近いか。

Fountains Of Wayneの4作目"Traffic And Weather"。今年一番の問題作・・・かな。例年だったら、ベスト10には入っていません。高い評価をする人もあるようで、それはそれで興味深くもあるけれど、これまでとは明らかに感触の異なるアルバムで、聴きたいと思わせる魅力が少ないように感じる。まあ、ライヴで良さを認識した曲もあるし、当初に比べると随分と耳になじみ、良いなと思えるようになりました。次作がどうなるのか、かなり気になります。

Mark Olsonの"The Salvation Blues"は初のソロ名義での作品。ex-The Jayhawksと言っても、考えてみれば、10年以上昔の話。その後の活動は断片的にしか追いかけていませんが、ポップ・ミュージックとしては語りにくい感じでもあったので、期待と不安の入り混じるソロ・デビューでした。実際に耳にしてみると、うん、良いかな・・・という感じ。円熟へと向かう数歩手前の微妙な感覚があるとでも言いましょうか。もっと素晴らしい作品を書けるはずとの思いは残るので、せっかちながら、次作へ期待を込めたいですね。Gary Lourisとの関係も引き続き気になります。

10位のFuture Clouds & Radarはex-Cotton Matherによるバンドで、いきなりの2枚組でデビューしました。Cotton Matherに比べると、より幅広い音楽性を示しており、色々なタイプの曲を披露しています。意欲的な作品に仕上がっているけど、2枚組でもあり、少し散漫かも。いや、私の耳がまだ追いついていないだけか。しばらく行方不明になっていたので、通して聴いたのは10回ちょいぐらいだし。普通に考えると、曲数を絞って、50〜60分ぐらいの1枚組にすれば、完成度は高くなったように思うけど、その辺りは承知の上での確信犯的な2枚組だったはずで、真意が分かるのは次作以降なのかも。

以上、『3+1+3+3』という感じの10作。聴いていない作品の中に素晴らしい作品があるはずという思いは例年以上に強く、ここはベスト番外地という感じ。まあ、上位のアルバムは素晴らしいものばかりで、聴いてみる価値はあるんじゃないかと思っています。好みの問題とかは当然ありましょうが。

この10作以外では、Paul McCartney、John Mellencamp、Kim Richey辺りがまずまず良かったかな。他の方のベストをいくつか見させてもらいましたが、聴いていない作品が本当に多いなぁ・・・と。軽く目眩がしてしまいますよ。そこに登場していなくて気になっているものもあるし、気が遠くなりそうです。まあ、その前に手持ちで聴いていないものから片付けていかないと。皆さんのベストも参考にして、周回遅れで追いかけて行きますよ。

簡単に書くつもりでしたが、だらだらと長文に。今年も良い音楽に出合えるように。そして、音楽を心から楽しめるように。
記事へブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 4


Best Albums Of 2007 - I

2008/01/07 23:20
2007年リリース以外のものからスタートです。Sugarplum Fairyは本国では2006年のリリースなので、そちらに準拠しました。前年に続いて、今回も枚数が多く、順位は大体の感じで付けてみました。リストに挙げ忘れているものもありそう。

01. Sherwood / Sing, But Keep Going (05)
02. Will Kimbrough / Americanitis (06)
03. Chris Laterzo / WaterKing (00)
04. The Frank And Walters / A Renewed Interest In Happiness (06)
05. Chris von Sneidern / California Redemption Value (05)
06. Jackie Greene / Sweet Somewhere Bound (04/05)
07. Ben Kweller / S.T. (06)
08. Carey Ott / Lucid Dream (06)
09. Gin Blossoms / Dusted (89)
10. Hotel Lights / S.T. (04/06)
11. Sugarplum Fairy / First Round First Minute (06/07)
12. Chris Laterzo / Driftwood (04)
13. Speedboat / Satellite Girl (99)
14. Sloan / Never Hear The End Of It (06)
15. L.E.O. / Alpacas Orgling (06)
16. Guster / Keep It Together (03)
17. Willie Nile / Beautiful Wreck Of The World (99)
18. Shoes / Boomerang (82)
19. Dan Kibler / ForEverAgo (06)
20. Barbara Keith / S.T. [2nd] (72)
21. The Honeydogs / Amygdala (06)
22. Mando Saenz / Watertown (04)
23. Lindisfarne / Fog On The Tyne (71)
24. Peter Bruntnell / Ghost In A Spitfire (05)
25. Sufjan Stevens / Michigan: Greetings From The Great Lake State (03)
26. The Sheers / Goodbye World (06)
27. Tucker Livingston / S.T. (04)
28. Milkwood / How's The Weather (72)
29. Bob Egan / The Glorious Decline (06)
30. Vinyl Kings / Time Machine (05)

振り返ってみると、結構な枚数を聴いていますね。よく聴いたものもあれば、そんなに聴いていなくて、聴き込めば良さを増しそうなものもある。まあ、それはいつもの事です。傾向としては、数年前の作品がほとんどで、70年代の作品がチラホラ程度。80年代は食指が伸びるものがあまりないし、90年代のブツはほぼ一通り聴いていて、今年は新たな発見は少なかったという感じでしょうか。

すでに2作目もリリース済みのSherwoodのデビュー・アルバムを1位としました。素朴な雰囲気の残るポップなロックで、とても新鮮に響きました。曲も粒揃いで、1年を通してコンスタントに聴いていました。2作目を聴いてみても、しっかりとした才能のあるバンドだと思う。先が楽しみでもあり、ちょっと不安でもある。来日、ありそうかな?

Will Kimbroughの"Americanitis"は3作目のソロ・アルバム(レア音源集を除く)。これまでの田舎の香りが漂うギター・ポップ作品という雰囲気から少し離れ、ルーツ色を増したアルバム。現在のアメリカの情勢と向き合ったアルバムのようで、かなり力の入った作品という印象です。従来のポップさを残した曲では、The Beatlesっぽさが相変わらず感じられ、これが堪らないんです。

前年に続いて、Chris Laterzoが上位に。"WaterKing"は2作目で、デビュー作に比べると聴いた回数は少なかったんだけど、改めて聴き返してみたら、もう、どうしようもないぐらいに素晴らしい。ややロック色を強めて、従来のNeil Young的な雰囲気だけでなく、もっと間口の広い作品に仕上がっていますね。3作目の"Driftwood"もとても良く、この人の作品はどれも本当に高水準。知る人ぞ知る状態なのが不思議です。

ついに復活作の届いたThe Frank And Waltersの5作目"A Renewed Interest In Happiness"。3作目から4作目にかけて電子音の比率が増し、バンド自体が失速しているように感じられていたんだけど、ここでは初期のトリオ・バンドらしいシンプルな音作りに戻っており、曲もとても充実した出来栄え。来日して欲しい!

Chris von Sneidernの6作目"California Redemption Value"。前作でもそうでしたが、90年代の作品のようなパワー・ポップ的な色合いは薄れ、60年代から70年代初頭ぐらいのポップ・ミュージック寄りにシフトしてきていますね。まあ、でも、メロディを大切にする姿勢は一貫しており、この人らしさはきっちりと感じられる。今後も聴き続けたいアーティストです。

Jackie Greeneは前年も上位に選んでいましたが、この3作目もとても良い。その前作よりも落ち着きを増して、シンガー・ソングライター的な色合いが強まった印象。相変わらずの曲の良さと声の魅力に脱帽です。まだ聴いていない作品にも期待感が募ります。

4年ぶりの来日ライヴも実現したBen Kwellerの3作目"Ben Kweller"。デビュー作が最高傑作との評価は全く変わりませんが、シンプルで心に残る曲の数々はさすがだと思わせます。次作がどんな感じになるのか、今後を占う作品になりそうな気がするだけに、とても気になります。

Carey Ottは期待の新進シンガー・ソングライター。Ron Sexsmithに通じるような雰囲気もあるけど、もうちょっと垢抜けている感じかな。何かきっかけがあれば、一気に人気を集めても不思議じゃないかな。今後が楽しみな存在。

Gin Blossomsのデビュー作"Dusted"は思わず笑顔の快作。後の作品で再演される曲も何曲か含んでおり、この時点ですでに光るものをしっかりと持っていますね。ファンなら間違いなく楽しめる作品で、復活を果たした事でもあり、再々発が待たれるところ。

Hotel Lightsはex-Ben Folds FiveのDarren Jesseeによるバンドで、そのデビュー作。TravisなどのUKのバンドに通じるような作風で意表を突かれましたが、曲もきっちりと書けているし、丁寧に作られているなという印象。『動』の部分がもう少し欲しいように思えますが、まずは上々のデビューと言えそう。

以上が上位10作。ここで挙げただけでも30枚あるし、他にも色々とあり、そんなに聴き込めていないものも多く、下位にランクのものでも後になって良さを再認識するようになるものもあるはず。最初にも書きましたが、大体の順位であり、参考程度に考えて下さい。11位から30位の作品にも、それぞれに良さがあり、過去にコメントをしたものもあるし、今後のblogで言及する事もあるでしょう。そういう訳で、ここではコメントは割愛します。

手持ちのアルバムで良さを再認識したものを挙げると、The Daysの"The Mystery Of The Watched Pot"、Alex Loweの"Dreamcatcher"、Sloanの"Action Pact"辺り。他にもあったはずだけど、記憶を手繰り寄せきれない。とにかく、手持ちの作品をいっぱい聴いた年でした。

こうやって振り返ってみると、CDをあまり買っていないつもりだったけど、それなりの枚数は聴いているもんですね。でも、何枚聴くかという事よりも、何度も聴く中で発見できる事の方が大事に思えている昨今でもあり、うまくバランスの取れた聴き方をしていきたいなと考えています。急いで作成したベストでもあり、自分の中でも整理できていない部分も大きいけれど、これを見ている人にとって何らかの参考になればと願っています。
記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


タイトル 日 時
Best Albums Of 2006 - IV
では、2006年リリースのアルバムの上位5枚です。 ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 6

2007/01/05 22:20
Best Albums Of 2006 - III
今日は6位から10位です。 ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2007/01/04 23:20
Best Albums Of 2006 - II
では、今年リリースのアルバムのベスト作品を。対象となるのは、私が購入したものの中で、ベスト盤などのコンピ盤やカヴァー曲を中心に構成されたアルバム以外とします。カヴァー曲について、トラッド・ソングの扱いは迷うところですが、対象外としました(Bruce Springsteenのあれです)。なかなか難しい部分もありますが、暫定措置ですね。以上の中から対象となったアルバム数は50枚弱で、聴けた回数の少ないものを除いた約40枚から最終的に選びました。 ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

2007/01/03 23:20
Best Albums Of 2006 - I
2006年リリース以外のものからスタートです。選びきれないので、ダラダラと30枚。Denisonは断然。The Connellsも最高。10位ぐらいまではかなり強力。他は順位はつけたけども、気分次第で微妙に変化しそう。2006年になる前に入手済みのも少し含まれています。 ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2007/01/02 23:20

トップへ | みんなの「Best」ブログ

Author Unknown Bestのテーマ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる