今日の音盤 2007/10/31

画像今日の音盤。

Rusty Squeezebox / Isotopes (2000)

アルバム3枚を残して解散したBaby Lemonadeの中心人物だったRusty Squeezeboxのソロ・デビュー作。現時点では、唯一のアルバムです。

Baby LemonadeはLos Angelesで結成されたバンドで、Rusty SqueezeboxとMike Randleを中心に活動、リリースされたアルバムは以下の通り。他にEPのリリースもあるようです。③は2000年リリースとの情報もありますが、2001年だったような記憶があるので(CDにも"(C)2001"の表記がある)。

① 68% Pure Imagination (1996)
② Exploring Music (1998)
③ The High Life Suite (2001)

①はパワー・ポップ・ファンにも好かれそうなギター・ポップという感じで、キャッチィな曲が多いですね。このレヴューに合わせて少し久しぶりに聴いてみましたが、以前に聴いていた時よりも良いアルバムだなと感じました。バンド外部からの手はほとんど借りずに作られたようで、この時点での素の姿をそのまま収めた作品と言えそう。この筋の作品が好きな人なら、探し出して聴いてみる価値のあるアルバムでしょう。

②はBig Dealレーベルからのリリースで、WondermintsのDarian SahanajaとNick Waluskoが共同プロデューサー&演奏で参加しています。Nick Waluskoは③でも大きく貢献、"Isotopes"のプロデュースも手掛けており、親密な関係にあったようです。ややポップさは失われたようにも思えるけれど、引き続き好内容。

③のリリース時点ですでにバンドは解散しており、ファンへの感謝の言葉も述べられています。音はさらにソフトになり、ソロ作品に通じる部分もあるように感じられます。ジャケのデザインはクラシック音楽の有名なレーベルのDeutsche Grammophonを模したものですね。

Baby Lemonadeは、Arthur Leeの再結成したLoveのバック・バンドを務めた、あるいは、いっしょにツアーをしたとの記事を見かけますが、この辺りの情報は詳しくないので、軽く触れるだけにしときます。その縁なのかどうか分かりませんが、①にはLoveの"You Set The Scene"のカヴァーを収録していますね。Loveに関しても詳しくないので、音の比較もできません。Baby Lemonadeのもう1人の中心人物のMike Randleも"Isotopes"と同じ頃にソロ・アルバム"My Music Loves You (Even If I Don't)"をリリースしており、そちらも良い作品です。

ここからが本題です。"Isotopes"は上記の通り、Nick Waluskoと本人との共同プロデュース作品で、極上のポップ・センスが感じられるアルバムに仕上がっています。小さなインディ・レーベルからのリリースだし、制作にお金をかけられるような状況だったとは思えないけれど、そんな事をほとんど感じさせないような、しっかりとした音作りが施されています。アコースティック楽器と電子音がうまく溶け合っています。でも、それより何より、曲が非常に良く書けているんです。曲調も色々ありながら、作品全体では統一感が感じられ、もう文句なし状態。バンド時代の仲間も参加しています。

1曲目"Same Old Song"はとても自然な響きのメロディを持った曲で、アコースティック・ギターと電子音が心地良く調和し、そこにペダル・スティール・ギターが何とも言えない雰囲気で絡みます(ペダル・スティールの音色に弱いんですよね・・・)。数え切れないぐらい聴いたけど、今でも聴く度に気持ち良くなってしまいます。名曲でしょう。

2曲目"Playa De Carmen"は、タイトルがスペイン語でしょうか。ネット翻訳によると、英語で"Beach Of Carmen"という意味のようです。そう言われてみると、午後の海辺のそよ風を思わせる雰囲気があるような。3曲目"Lights Out"はバンド時代を思い出させるようなポップ・チューンで、これもすごく良い。

4曲目"Little Century"は言葉で表現しづらい曲ですね。ゆったりした曲調で、緊張感を微妙に感じさせるようなメロディ。フルートが効果的に使われていて、要所でのコーラスも決まっています。5曲目"Expecting To Fly"はBuffalo Springfield時代のNeil Youngの名曲のカヴァーですね。地味と言えば地味な曲なので、インパクトがある訳ではないけど、アルバム全体の流れの中でしっかりと存在感を示していますね。

6曲目"Better World"はリズムを強調した曲で、最も今風な作りかな。効果音もふんだんに使われています。この曲を最も楽しめるのは日本人ですね、間違いなく。7曲目"Settle Down"。アコギが奏でる運命的なメロディで始まるイントロ。どこか寂しげな雰囲気をまといながら、そんな感じだけに留まらずに曲は展開。良くできています。

8曲目"Venus Decides"は午後のそこはかとない気だるさを感じるような。完成度が高い。9曲目"Parallel"は前の曲と対比を描くように、希望感に溢れたメロディがとても気持ち良く響きます。ポップなシンガー・ソングライター作品という感じで、ツボを刺激してくれます。

10曲目"Do You Sleep Alone"はゆったりとした曲で、聴いていると眠ってしまいそう。11曲目"D-Tune"は不思議な雰囲気がありますね。しっとりとしていながらも、厳かな感じもする。聴く人によって、受ける印象は様々かも知れませんね。充足感を感じつつ、終了です。

改めて聴いてみても、素晴らしいとしか言いようがないですね。この作品に流れる空気感が好きです。音と心が溶け合い、架空の液体となって、ゆらゆらと漂う感じ・・・って、分かったような分からんような表現だけど、気分の良い日にはそんな風に感じます。あまり話題にならないのが不思議だし、とても残念。隠れ名盤に勝手に認定しておきます。残念ながら、これ以降の作品はなく、現在の状況も良く分からない。間違いなく才能のある人なので、また作品を届けてもらいたいもんです。

追記。さっき知ったのですが、Rusty Squeezeboxは、ex-WondermintsのBrian KassanによるバンドのChewy Marbleのデビュー作を共同プロデュースするなど、大きな貢献をしていたようです。Wondermints人脈とは深い繋がりがあったんですね。これで終わるのも中途半端なので、"Isotopes"のアート・ワークについて。これって、Macintoshの画面なんでしょうかね。ブックレットの中身も楽しめる(あるいは、興味深い)作りになっていますね。

日々の音盤 2007/10 ⑤

2007/10/21 - 2007/10/25

Tim Easton / Break Your Mother's Heart
Bert Jansch / Moonshine
Lindisfarne / Fog On The Tyne
Mark Olson / The Salvation Blues
R.E.M. / Document
R.E.M. / Eponymous
R.E.M. / Out Of Time
R.E.M. / Around The Sun
Traveling Wilburys / Vol 1
Umajets / Swollen And Tender
The V-Roys / All About Town
Denison Witmer / Are You A Dreamer?

新譜を聴いていないので、書く題材に少し困り気味。Denison Witmerの"Are You A Dreamer?"は私がこれまでに聴いた幾多のアルバムの中でも特に素晴らしい作品で、昨年に出会って以来、今でもコンスタントに聴きたくなります。そして、聴く度に新鮮な感覚で耳に届くんですよね。本当に稀有な魅力を持ったアルバムです。以前のレヴューは、こちら

昨年の彼の誕生日には、弾き語りによる音源を特設サイトのHappy Birthday Denisonで公開してくれました(今でも聴けるようです)。彼の誕生日の11月4日をもうすぐ迎える事でもあり、今年も何かを届けてくれるのか、気になるところ。そして、待望の新作はいつになるのか、さらに気になるところ。

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Kyle Vincent / Arianne 《2007/12/11-リンク削除済》

日々の音盤 2007/10 ④

2007/10/16 - 2007/10/20

Brown Eyed Susans / Afternoon Tea
Walter Clevenger & The Dairy Kings / Love Songs To Myself
Fountains Of Wayne / S.T.
Fountains Of Wayne / Traffic And Weather
David Mead / Mine And Yours
R.E.M. / Lifes Rich Pageant
The Salteens / Let Go Of Your Bad Days
Simon & Garfunkel / Bookends
Todd Thibaud / Little Mystery
The Tories / Wonderful Life
Uncle Green / Book Of Bad Thoughts
Vinyl Kings / A Little Trip

昨夜はFountains Of Wayneのライヴに行って来ました。相変わらずの盛り上がりで、あれは彼らのライヴでしか味わえない感覚ですね。冒頭の"Radiation Vibe"~"Denise"~"Mexican Wine"~"Someone To Love"と続いた流れで一気に最高潮に達していましたよ。"Denise"以外はアルバムの冒頭の曲でもあり、これは反則のような展開でした。"Someone To Love"は新作からの曲だけど、どこかで集まって練習していたかのように観客の呼吸がぴったりで、思わず笑ってしまったぐらい。

これだけの曲が続いても、まだまだ良い曲だらけで、最後まできっちりと楽しませてもらいました。本編が約50分、アンコールを含めても70分ぐらいだったと思うけど、満足感いっぱい。他にも聴きたかった曲は当然あるけど、それはそれ。アンコールでの"Fire In The Canyon"から"Amity Gardens"への流れも素晴らしかった。特に"Amity Gardens"は初めて生で聴く事ができて、本当に最高でした。定番の"Troubled Times"や"Red Dragon Tattoo"も聴けたし。とにかく、最高に楽しませてもらいました!

そのFOWの今年リリースの新作"Traffic And Weather"。それなりに聴き込んで、当初の戸惑いは薄れたものの、過去の作品とは質が違うとの思いは変わらず。良い曲も少なくないんだけど、入っていて欲しくないような曲が何曲かあって、それが全体の流れを悪くしているとでも言いましょうか。まあ、でも、ライヴでは変わらぬ素晴らしさを見せてくれたし、次のアルバムには以前と同様の期待をしたい。

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Gin Blossoms / Follow You Down 《2007/11/21-リンク削除済》

日々の音盤 2007/10 ③

2007/10/11 - 2007/10/15

Tal Bachman / Staring Down The Sun
Tim Easton / The Truth About Us
Great Speckled Bird / S.T.
Maritime / Glass Floor
David Mead / Wherever You Are
David Mead / Tangerine
R.E.M. / Reconstruction Of The Fables
R.E.M. / Up
Todd Thibaud / Favorite Waste Of Time
The V-Roys / Just Add Ice
Whiskeytown / Pneumonia
Wilco / Yankee Hotel Foxtrot

新譜のリリース具合を久しぶりに調べてみたら、いっぱい出ていますね。まあ、しばらくはCDを買わない生活を続けるので、いつになったら聴けるんだか分りませんが。以前に話題にしていたJustin Currieの新作もきちんとリリースされるようで、良かったなぁ~って思います。他にも気になるのがあるけれど、我慢の日々で乗り切りたいな、と。

David Meadの"Wherever You Are"は2005年リリースのEP。2004年の3作目の前に出るはずだったアルバムからの曲を集めたっていう感じなのかな。穏やかな作風だった3作目に比べると、ポップな色合いがまだ色濃く残りつつ、しっとりとした曲での表現力も増して来ているという印象。この当時の音源が他にもあるのなら、フルで聴いてみたいなと思わずにはいられない。6曲のみの収録ながら、聴き応えあり・・・って、前に書いたような気がしなくもないけれど。

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Imperial Drag / Overnight Sensation 《2007/11/21-リンク削除済》

日々の音盤 2007/10 ②

2007/10/06 - 2007/10/10

Pete Droge / Necktie Second
Tim Easton / Ammunition
The Honeydogs / Seen A Ghost
Damien Jurado / Rehearsals For Departure
R.E.M. / Murmur
R.E.M. / New Adventures In Hi-Fi
Jules Shear / Dreams Don't Count
The Thrills / Let's Bottle Bohemia
Toad The Wet Sprocket / Bread And Circus
Toad The Wet Sprocket / Pale
The Trash Can Sinatras / Cake
Erik Voeks / Sandbox

秋らしくなってきたせいか、シンガー・ソングライター作品を知らず知らずに手に取って聴く回数が増えてきたような気がします。Jules Shearの"Dreams Don't Count"は昨年のベストにも選んだアルバムですが、この季節に聴くとさらに良さが増しますね。同じく昨年リリースのTim Eastonの"Ammunition"もベストの順位を決めていた頃よりも良い感じで耳に届きます。

他にも何か書こうと思っていたはずなんだけど、眠たくて思い出せない・・・

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The Sugarplastic / Radio Jejune 《2007/11/21-リンク削除済》

Jason Falkner in Kyoto セット・リスト

色々と時間を取られてしまい、どうも余裕がない。知らない間にリリースされている新譜も多いようだけど、どんなのが出ているのかもチェックできていません。PCの購入以降、CDをほとんど買わずにいたら、買わない状態が普通になりつつあり、しばらくこのままで良いかな、と。あまり聴けていないCDは山ほどある事だし。

土曜日の京都でのThe Resentmentsのライヴにも行けませんでした。今回はしょうがないですね。先日のJason Falknerのライヴの感想もアップできそうにないので、セット・リストの掲載だけにします。すでにどこかでアップされていそうだけど、それはそれっていう事で。

Jason Falkner @ 磔磔 in Kyoto - 2007/09/22

01. This Time
02. NYC
03. The Neighbor
04. Stephanie Tells Me
05. They Put Her In The Movies
06. Runaway
07. This Life Of Mine
08. Komplicated Man
09. The Knew
10. Holiday
11. I Don't Mind
12. Honey
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
13. The Man I Used To Be
14. Goodnight Sweet Night
15. Miss Understanding

目を閉じれば、Jasonの笑顔がまだ浮かんでくるし、あの声が耳元に届いて来るような気がします。次の来日はスタンディングでのライヴを期待したいですね。椅子の上でむずむずしながら見てましたから。まあ、座っていたのでセット・リストをメモれたんだけど。

話は変わりますが、今月に入ってから、うちのblogへのコメント・スパムがひどい。すでに800件ぐらいになっていて、多い時は10分ごとぐらいに送信されています。最初の頃に気づいてフィルタをセットして、それ以降はフィルタに全て引っかかっている事もあり、不気味である以外に被害はないんですが。早くストップしてもらいたいもんです。

制作中のウェブサイトについても書こうかと思いましたが、日を改めて。かなり時間を費やしていますが、公開するまでにはまだ長い道のりがありそう・・・

日々の音盤 2007/10 ①

2007/10/01 - 2007/10/05

Richard X. Heyman / Living Room!!
Richard X. Heyman / Basic Glee
The Honeydogs / 10,000 Years
Billy Joel / Cold Spring Harbor
Will Kimbrough / Americanitis
The Kinks / The Kinks Are The Village Green Preservation Society
Don McLean / S.T.
R.E.M. / Monster
Son Volt / Okemah And The Melody Of Riot
Todd Thibaud / Northern Skies
The Thorns / S.T.
Toad The Wet Sprocket / Fear

Todd Thibaudって、日本では全くに近いほど知られていないかな。読みにくい名前ですが、『とっど・てぃ~ぼ~』と発音するらしいというのを見た記憶があります。オリジナル・アルバムはこれまでに4作、ライヴ盤が何種類かとコンピ盤もリリースされていますね。ソロ以前には、Courage Brothersでのアルバムが2枚ありますね。他には、Hardpanっていうバンドらしきものも。

上記の"Northern Skies"は2004年リリースのアルバムで、現時点での最新作。彼の音楽はロックとポップとルーツの描く三角形のほぼ中心にあるような音で、個人的には最もおいしいとこに位置しているアーティストの1人ですね。イメージ的には、Del Amitri辺りに近いかな。少しマイナーなとこでは、Dan Kiblerとか。ここだけの話ですが、このアルバムの冒頭の曲"Three Words"はDel Amitriの"Some Other Sucker's Parade"にかなり似ていますね。他にも、Steve EarleやEaglesの曲っぽい瞬間もあるけれど、そんなに気にはならないかな。

このアルバムも良い出来だと思うけど、最も好きなのが1999年の2作目。Jim Scottと本人による共同プロデュースで、Neal Casal、Greg Leisz、Don Heffingtonなどがゲスト参加。充実した演奏に応えるように、彼の曲の粒揃いさが際立っているし、声も良いのです。入手しやすい盤でもないけど、気に留めておいて欲しい良作なのです。

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Soul Asylum / Crazy Mixed Up World 《2007/11/21-リンク削除済》

日々の音盤 2007/09 ⑥

2007/09/26 - 2007/09/30

Neal Casal / Anytime Tomorrow
Neal Casal / Leaving Traces: Songs 1994-2004
Gin Blossoms / Dusted
Gin Blossoms / New Miserable Experience
Gin Blossoms / Congratulations I'm Sorry
Gin Blossoms / Major Lodge Victory
Hazy Malaze / S.T.
Shannon McNally And Neal casal / Ran On Pure Lightning
Old 97's / Early Tracks
Soul Asylum / Candy From A Stranger
Speedboat / Satellite Girl
Scott Thomas Band / California

Speedboatを初聴きです。リリースされた頃に買っておけば良かったんですが、知らない間に年が経ってしまって。まあ、Glasgow周辺に関しては、気になりながらも聴けていないバンドも多いので、ありがちな状況ではあります。Francis MacDonaldの名前が出るケースが多いので、彼が中心のバンドかと思っていたら、そうでもないようですね。弟(?)のFinlay MacDonaldの提供曲が多いし、2曲を提供しているScott Walkerがプロデュースを担当しているし。

音の方はTeenage Fanclubに近い感じを予想していたけれど、FrancisとCheekey Monkeyを組んでいたMichael Shelleyを思わせる雰囲気でしょうか。良質メロディのポップ・ミュージックで、気分良く聴かせてもらいました。

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Sondre Lerche / Two Way Monologue 《2007/11/01-リンク削除済》