今日の音盤 2007/07/30

画像今日の音盤。

Mark Johnson / 12 In A Room (1992/1998)

Mark JohnsonはNew York州のLong Islandの出身で、1972年にVanguardレーベルから"Years"をリリースして、アルバム・デビュー。"12 In A Room"は20年ぶりにリリースされた2作目で、1998年(1997年?)にボーナス・トラックを収録して再発されました。2000年には、3作目"Last Night On The Roller Coaster"をリリースしています。

デビュー作から2作目の間の20年はどのような活動をしていたのか分からない部分が多いのだけど、音楽活動としては、他のアーティストの作品へのゲスト参加がメインだったようです。80年代の活動は、少し前にリリースされたMark Johnson And The Wild Alligators名義でのCDに収められた音源で窺い知る事ができるようです。

この"12 In A Room"はタイトルが作品自体をそのまま物語っていると言えそうで、4-Trackレコーダーで録音された12曲を収録したアルバムですね(再発盤は4曲を追加収録していますが)。そんな訳で、手作り感のある音作りになっていますが、色々と工夫をしているのが感じられるし、きっちりと作られています。アルバム全体からは幸福感や開放感が漂っているように思えて、宅録っぽいイメージはあまり感じられませんね。収録曲はどれも本当に素敵なメロディに彩られており、ポップ・ミュージックのお手本っていう感じ。

本作の収録曲は他のアーティストやバンドで発表済みの曲もあり、"King Of Love"はDave Edmundsに("Closer To The Flame"に収録)、"Love Radiates Around"はThe Rochesに("Another World"に収録)、それぞれカヴァーされています。

1曲目"Earn That Love"は軽快なリズムに爽快なメロディが乗っかり、アルバムのオープニングにぴったりの佳曲。グングン突き進んでいく感じが気持ち良い。2曲目"When A Heart Breaks Down"はELOの影響が色濃く感じられます。実際に影響を受けているのかは分からないけれども。もう少し盛り上がる部分があれば、申し分ない曲になったはず。

3曲目"Desperate"は胸を焦がすようなメロディが切なくも爽快で、堪りませんねぇ。名曲です。4曲目"Cold Weather"はアコギの弾き語りを基調に、他の音が加わります。あまり寒いというイメージではないかな。5曲目"When I Fall"は半歩引いた感じでしっとりと歌い上げられるミディアム・スロウの美メロ・ソング。

6曲目"Numbers"もELOの影を感じるけど、こっちはELO Part Twoの方です。いや、嘘です。てきと~に書いてしまいました。キーボード主体のポップな雰囲気から、後半にギターが加わって曲の雰囲気ががらりと変わる展開とか、ツボを押さえた音作りにも脱帽。良い。

7曲目"Love Radiates Around"はThe Beach Boys辺りの影響が感じられますね。シンプルな演奏と効果的なコーラスが美しいメロディに絶妙に絡み、何とも言えない響き。タイトルから連想される通りに幸福感を放射しまくりで、ほんわかとした温かさに満ちた名曲です。

8曲目"Thru The Void"はサビで同じフレーズが(呪文のように?)何度も繰り返され、妙に耳に残ります。途中でホーンのような音が鳴らされる所とか、ちょっと面白い作りになっていますね。9曲目"Larry Stein"はPet Shop Boysなんかに近いイメージかな。もう少し温かい感じですが。10曲目"Real True Lover"はフォーク寄りの曲ながら、ポップさは隠しようがないという感じで表出しています。私好みの曲だな。

11曲目"King Of Love"は前述の通り、Dave Edmundsによって発表済みの曲で、そこから連想できる通りにオールド・スタイルのロック・チューン。小気味良いポップさがいっぱい。12曲目"Little Cricket"はアルバム本編のラスト曲。地味ながらも、じわりと沁みてきます。

以下の4曲はボーナス・トラック。13曲目"I Like The World"はBig Dealレーベルのコンピ盤"Yellow Pills Volume 1"に収録されていた曲の別ヴァージョンかな。パワポのコンピ盤に収録されただけあって、この曲が最もパワー・ポップ寄りのサウンドって言うか、パワー・ポップです。その筋の人には堪らない曲でしょう。少々しょぼい手拍子も泣けます。

14曲目"Shutting Me Down"はどこかで聴いた事があるようなメロディだなぁ。何なのか思い出せず、ちょっともどかしい。ミディアム・スロウの甘いメロディが印象的。15曲目"Lovely Liz"もどこかで聴いたように思えてしまうぐらいに耳なじみが良い。16曲目"Desperate Interlude"はインストゥルメンタル曲。淡いイメージが音を通して浮かび上がります。

改めてじっくりと聴いてみても、やはり素晴らしいアルバムですね。90年代の隠れ名盤の1枚でしょう。これは人によって感じ方が違いそうだけど、南国的あるいは夏をイメージさせる音ですね。CDでの入手は困難になっていそうだけど、iTunesで入手可能のようです。この後の3作目は本作よりも多様な作風を披露しながらも、基本的には同様のスタイルになっており、そちらもオススメ。3作目はCD Babyで取り扱われていて、6曲試聴できます。

また、以前の記事で書いたように、彼はWillie Nileとも親しいらしく、互いの作品に参加していたりしますね。近年は映画音楽関連での活動が目立っているようだけど、Willie Nileの去年の傑作アルバム"Streets Of New York"に刺激を受けて、4作目となるアルバムをリリースしてくれるよう、期待したいもんです。

日々の音盤 2007/07 ⑤

2007/07/21 - 2007/07/25

Mark Johnson / 12 In A Room
Mark Johnson / Last Night On The Roller Coaster
Jesse Malin / Glitter In The Gutter
Mando Diao / Ode To Ochrasy
The Model Rockets / Snatch It Back And Hold It
The Model Rockets / Tell The Kids The Cops Are Here
OK Go / S.T.
Mark Olson / The Salvation Blues
The Orange Humble Band / Humblin' (Across America)
Jules Shear / The Great Puzzle
The Sheers / Goodbye World
Starlet / When Sun Falls On My Feet

PCが故障してしまい、再セットアップ。何とか復帰できました。セーフ・モードでも立ち上がらなかったし、回復コンソールも役立たずで、データの消失を覚悟しましたが、情報収集の結果、データ救出の方法を見つけられたので、それにて解決。いくつかのデータは失われたけど、何とか大事なデータはほぼ救出できました。疲れました・・・ 新しいPCが欲しいなぁ・・・ んで、そんな事に関係なく、明日からFuji Rockですね。好天に恵まれ、素晴らしいフェスになるよう願っています。

Jesse Malinの3作目となる新作"Glitter In The Gutter"を聴きましたが、これは久々にやばいアルバムですね。過去の2作は気になっていたけれど未聴なので、本作が初聴きですが、即効性もありつつ、聴く回数を重ねるごとに逆に新鮮さを増す部分もあるような。間違いなく傑作だし、年間ベストの上位は必至。作品のクオリティを考えれば、豪華ゲスト陣も全く驚く必要なしですね。参りました。これまでの作品も聴いてみないと。

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Red Hot Chili Peppers / Scar Tissue 《2007/08/26-リンク削除済》

日々の音盤 2007/07 ④

2007/07/16 - 2007/07/20

The Cash Brothers / How Was Tomorrow
The Gourds / Stadium Blitzer
Chris Laterzo / Driftwood
The Love Hall Tryst / Songs Of Misfortune
The Mayflies USA / The Pity List
Mull Historical Society / Loss
The Nerk Twins / Either Way
Mark Olson / The Salvation Blues
The Orange Humble Band / Assorted Creams
Jules Shear / The Eternal Return
Mindy Smith / One Moment More
Kyle Vincent / Gathering Dust (Rare & Unreleased, Vol. 2)

Mark Olsonの"The Salvation Blues"は今年リリースのアルバムで、The Jayhawks脱退後の作品は彼の名を冠しているものもありましたが、どれもThe Creekdippers絡みだったので、これが初のソロ作品と言えるでしょう。

そのThe Jayhawks時代の盟友のGary Lourisとの共作曲も収録とあって、期待は高まりますが、あの"Tomorrow The Green Grass"からは12年ぐらい経っている訳で、あの頃の稀有なフィーリングがそのまま感じられるかと言うと、やはり違うのが当然で。でも、実際にアルバムを聴いてみると、クレジットを見るまでもなく共作曲がどれかは分かり過ぎるぐらい分かってしまって、言葉を失ってしまいます・・・ 今後、この2人の活動がどのような距離感で行われるのか、とても気になりますよね。

作品としては、Greg Leiszのペダル・スティールやドブロの演奏が耳に残る事もあり、カントリーの香りが強めのようにも感じられますが、基本的にはフォーク・ロックの範疇で鳴っている音なんじゃないでしょうか。聴き込みに応えてくれそうな予感いっぱい。来日、わずかな可能性かも知れないけど、期待したいです。

続いて、Chris Laterzo。The Jayhawksのファンには是非とも聴いて欲しいと思えるアーティストです。昨年、1997年リリースのデビュー作"American River"を聴いて、深く感銘を受けたのです。そして、2作目と上記の3作目"Driftwood"を今年になって聴いてみましたが、どちらも期待通りに素晴らしい。Neil Youngの影響がそのままっていうぐらいに表れていたデビュー作に比べると、やや垢抜けたような印象で、より広く受け入れられそうな気がします。現段階では、デビュー作がベストとの思いは揺らぎませんが。

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Wilco / Box Full Of Letters 《2007/08/21-リンク削除済》

日々の音盤 2007/07 ③

2007/07/11 - 2007/07/15

The Frank And Walters / A Renewed Interest In Happiness
Funky Kings / S.T.
Hotel Lights / S.T.
Mando Diao / Hurricane Bar
Herb Pedersen / Southwest
Reckless Sleepers / Big Boss Sounds
The Sun Sawed In 1/2 / Fizzy Lift
Scott Thomas / Shine Like You
Kyle Vincent / S.T.
Kyle Vincent / Wow & Flutter
Lucinda Williams / West
Neil Young / Living With War

Herb Pedersenはシンガー・ソングライターでもあり、幾多の作品にギターやバンジョーなどで参加しているし、いくつかのバンドを渡り歩いていたりするようです。などと知ったかぶりで書いていますが、私は彼のアルバムを1枚持っているだけ。上記の"Southwest"で、これは1976年リリースのソロ・デビュー・アルバム。

彼を知ったきっかけはシンガー・ソングライター本に"Southwest"が紹介されていたからで、コメント内容と共に、その人の良さそうな彼が野ざらしっぽいベンチあるいはソファに座っているというジャケットの写真にも惹かれたから。ヒゲおじさんっていう感じだけど、44年生まれだから、この頃は31か32歳のはずで、ちょっとそんな風には見えないなぁ。

んで、実際に聴いてみると、カントリー・ロック風味のSSW作品っていう感じで、よくある音なのかも知れないけど、妙に和むんですよねぇ。The Beatlesの"Paperback Writer"を冒頭でカヴァーしていて、これはカントリー寄りの音作りになっており、原曲とは雰囲気が全く違う仕上がり。個人的には他の曲が聴き所で、3曲目や8曲目辺りのスロウ・チューンに特に心を掴まれます。

初期のEagles辺りが好きな人とかなら、きっとこれも気に入るはず。人脈的にも繋がっているし。そんな訳で、紙ジャケで間もなくリイシューされるようなので、興味がある人は入手できるうちに。ジャケ写そのままの雰囲気の作品だと思うので、それにピンと来ない人は素通りして下さいな。ちなみに、HMVで検索する時は、"Herb Pederson"で(そちらの紹介文は参考になるかと)。綴り間違いで登録されてしまっているようです。

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The High Llamas / Nomads 《2007/08/16-リンク削除済》

日々の音盤 2007/07 ②

2007/07/06 - 2007/07/10

Clarkesville / The Half Chapter
Neilson Hubbard / Sing Into Me
Tucker Livingston / S.T.
The Mayflies USA / Summertown
Norrin Radd / Where She Danced
Oasis / Be Here Now
Oranger / New Comes And Goes
Semisonic / Great Divide
Jules Shear / Horse Of A Different Color
Jules Shear / Allow Me
Mindy Smith / Long Island Shores
St. Thomas / Mysterious Walks

Norrin Raddを知っている人って、日本にどれぐらいいるんでしょうね。何となく人の名前っぽいけど、Gandulf Hennigによるバンドですね。あるいは、ユニットに近いかも。上記のアルバムは2001年のリリースで、おそらく唯一のアルバム。

入手も簡単じゃないだろうから、ここで取り上げる意味はあまりないのかも知れないけれど、Tom PettyやThe Byrds辺りの音楽への志向をそのまま表現したような音は妙に耳に残ります。超キャッチィな1曲目を始め、ちょっと赤面しながら聴くのが正しい聴き方か? Gandulf Hennigはドイツ人だと思うけど、アメリカンな音ですね。Sid GriffinやKate St. Johnがゲスト参加している曲もあり。

Tucker Livingstonも知る人ぞ知るっていう存在でしょうね。私が知ったきっかけはCD Babyで『sounds like "Ron Sexsmith"』で検索してみて、印象に残るジャケのアルバムが目についたから。購入を何となく先延ばしにしてたら入手しづらくなってしまって諦めかけていましたが、何とか手に入れました。確かに、Ron Sexsmithを想起させる雰囲気を持っていますね。作曲にも確かな手応えを感じるし、やや乾いた声も味わいがあります。これで、それぞれの曲にもう少し表情があれば・・・と思いながら聴きました。

ちなみに、これは7曲入りで、約30分。EPですね。彼はコンテストに優勝、その優勝者にはレコーディング用の資金が提供され、そのような経緯で制作された作品ですね。

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R.E.M. / I'll Take The Rain 《2007/08/16-リンク削除済》

音楽情報など

最近の音楽情報などを。

Jason Falknerの来日が決定しましたね。以前から噂あるいは期待されていた、くるり主催の京都での音楽フェスへの参加との事。9月の野外だと、台風が心配ですが。雨を呼ぶ人が集まり過ぎないよう、祈っておきましょうか。単独ライヴも期待したいとこです。

次は新譜情報。ちょっと先の話ですが。Maritimeの3作目となる新作"Heresy And The Hotel Choir"が10月16日のリリース予定になっていますね。2年ぶりぐらいになるのかな(本国のUSでは、2作目のリリースが2006年にずれ込んだっぽいのですが)。まずまず順調なペースでのリリースかと思うけど、この間にベースのEric Axelsonが脱退していますね。前作にサポートで参加していた人も含めて、現在は4人編成のようです。

彼らも含めて、この周辺の人達って、年月を経ての作風の変化が激しいので、メンバー交代も経た事だし、サウンドの変化に注目したいとこですね。タイトルも意味深な感じだし。

そして、The Hootersの新作について。6月下旬にリリースとの情報を以前に書きましたが、まだ実際にリリースを確認できませんね。Wikipediaによると、夏のヨーロッパ・ツアー後の9月にリリースとあって、そちらが正しいのかも。まあ、もうちょっと待ちましょうか。

最後に、ちょっと気になる存在について。ミャンマー在住のオーストラリア人のTamas Wellsを中心とした、Tamas Wellsというバンドです。2作目が日本でも昨年リリースされて、着実にファンを獲得しているらしく、8月に来日するそうです。デビュー作も間もなく日本で再発予定。myspaceで何曲か試聴できますね。色々と比較の対象が頭に浮かびそうだけど、まずは無心で聴いてみるのが良さそう。

日々の音盤 2007/07 ①

2007/07/01 - 2007/07/05

Neko Case & Her Boyfriends / Furnace Room Lullaby
Kasey Chambers / Barricades & Brickwalls
John Wesley Harding / Why We Fight
John Wesley Harding / John Wesley Harding's New Deal
John Wesley Harding / The Confessions Of St. Ace
John Wesley Harding / Adam's Apple
Heron / Upon Reflection: The Dawn Anthology
Nicky Hopkins / The Tin Man Was A Dreamer
Maritime / We, The Vehicles
Model Rockets / Hi Lux
Jules Shear / The Third Party
The Sugarplastic / Bang, The Earth Is Round

John Wesley Hardingのライヴに行って来ましたが、良かったですよ。上記の2000年のアルバムに収録の"Humble Bee"がオープニングの曲で、新曲も交えての構成でした。観客が少なかったのが、何とも残念。もう、次はないかも・・・

今回の来日に合わせる形で、本名のWesley Stace(ウェズリー・ステイス)名義での小説"Misfortune(ミスフォーチュン)"が早川書房より出版されていて、そちらも入手したので、近いうちに読み始めるつもり。すでに8カ国で翻訳されるなど、評判も上々らしいです。

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Semisonic / Closing Time 《2007/08/06-リンク削除済》

日々の音盤 2007/06 ⑥

2007/06/26 - 2007/06/30

Jeff Black / Birmingham Road
Josh Clayton / Felt Like Making A Live Record
Jason Falkner / Author Unknown
Jason Falkner / Can You Still Feel?
John Wesley Harding / It Happened One Night
The Ladybug Transistor / Beverley Atonale
The Leatherwoods / Topeka Oratorio
Linus Of Hollywood / Triangle
Kim Richey / S.T.
Kim Richey / Bitter Sweet
Kim Richey / Rise
Superchunk / Come Pick Me Up

Jeff Blackは知る人ぞ知るっていう存在で、私も一昨年ぐらいに存在を知って、昨年になって上記の1998年リリースのデビュー作(廃盤かな)を運良く閉店セールでキャッチしました。これまでにリリースしたアルバムは編集盤らしきものを含めて4枚。

唯一所有しているデビュー作の印象は・・・Bruce Springsteenに似ている、でした。声が似ているんですよね。こちらの方が丸みを帯びたような声でしょうか。SSW作品的な肌触りの、静かに語りかけるように歌う曲が多く、聴き重ねるごとにじわりと来ます。良い曲を書いていますね。ルーツ色はそんなに濃くなく、聴く機会があれば好きになる人も少なくなさそうな気がします。

なお、当時のJeff抜きWilcoの面々(Jay Bennett、John Stirratt、Ken Coomer)がほとんどの曲に参加しています。その辺りから察する事ができそうな音でしょうね。他のアルバムも聴いてみたい。

《追記》 そう言えば、今日でこのblogも2周年でした。危うく忘れてしまうとこでした。まあ、何となくで2年経ってしまったような気もしますが。あまり時間を割けないので、当分は今のペースで緩く続けるつもりです。今後もよろしくです。

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Hooters / And We Danced 《2007/08/06-リンク削除済》